お気軽にご相談ください。
080-4598-9900
【受付時間】09:00~21:00

自己愛性パーソナリティ障害と共依存:なぜ惹かれ合い、なぜ離れらないのか

icatch 1 自己愛性パーソナリティ障害と共依存:なぜ惹かれ合い、なぜ離れらないのか

【この記事を読んでわかること】

  • 自己愛性パーソナリティ障害(NPD)と共依存の関係性とその危険な組み合わせ
  • なぜ自己愛性パーソナリティ障害の人と共依存者が惹かれ合うのか
  • 自己愛性パーソナリティ障害の人の特徴と行動パターン(事実の書き換え、被害者意識など)
  • 共依存者がこの関係から抜け出せない心理的メカニズム
  • 関係を終わらせる時の注意点と自分を守るための具体的方法
  • 自己愛性パーソナリティ障害チェックリストと見分け方
  • 健全な関係に戻るためのステップと心構え

 共依存・夫婦問題カウンセラーの大村祐輔です。
自己愛性パーソナリティ障害の人と共依存者の関係は、一見強い絆で結ばれているように見えながら、実は両者にとって有害な関係性であることが少なくありません。
この記事では、なぜこの組み合わせが生まれやすいのか、どのようなパターンで関係が進行していくのか、そしてどうすれば健全な関係を築けるのかについて詳しく解説します。
「この人のためなら何でもしてあげたい」「私だけが理解してあげられる」と思いながらも、常に疲弊し、自分を見失っているように感じる方。
または「何をしても相手に認めてもらえない」「いつも自分が悪いように責められる」と感じている方。
もしかするとこの記事があなたの状況を理解する手助けになるかもしれません。 

自己愛性パーソナリティ障害と共依存者の関係構造

自己愛性パーソナリティ障害(人格障害・NPD)の人と共依存者の組み合わせは、仮に結ばれたとしても破綻する確率は高いです。
実際にやり取りされた会話やメールの内容を見ても、多くの場合、”傷の舐め合い”のように感じられます。
お互いに「あなたも傷ついているよね」「わたしも同じ」と共感し合っているようで、実はその痛みに酔いしれ、そこに”絆”を見出そうとしています。
しかし、この”傷の共有”は、癒しや本当の意味での”支え合い”とは似て非なるものです。
表面的には相手のことを思っているように見えますが、実際には、どちらも「自分の満たされなかった欲求」や「自分の孤独」を埋めるために相手を使っているに過ぎません。
両者共に自分のことしか考えていません。
自己中心的な動機のぶつかり合いに過ぎないのです。

しかもその関係は決して対等ではありません。
自己愛性パーソナリティ障害の人は、無意識のうちに「自分にとって都合よく動いてくれる存在」を探し求め、共依存者は「見捨てられたくない」「必要とされたい」という思いから、ついその期待に応えてしまいます。

それを「愛」と勘違いしてしまうのです。
しかし、それは真実の愛とはまったく異なるものです。

自己愛性パーソナリティ障害と共依存の末路

自己愛性パーソナリティ障害の人は、無意識で自分の都合の良いように動いてくれる相手を探しています。
(出典:MSDマニュアル家庭版「自己愛性パーソナリティ障害」

決して自分のことを否定しない相手(イエスマン)を好みます。
そしてギブアンドテイクのギブの部分がありません。
ギブは仮にあったとしてもテイクするためのギブ、あるいは自己満足で相手を見ていないギブです。
一見優しさに見えるようなこともすべて自分のためです。
つまり偽りの優しさということになります。
相手のことは、自分が輝いていられるため(偽りの輝きですが)のアクセサリー程度にしか思っていません。
自分に献身してくれるその姿を意識の上では愛だと勘違いしています。

一方で共依存側の人は、自分がただのアクセサリー程度の役割であることに気付かず、むしろ頼られていると感じ、喜びを感じてしまいます。
ただ利用されているだけなのですが、自己肯定感が低いため気が付きません。

どんなに自分(共依存者)が被害を受けても、そしてどんなに周囲の人に迷惑がかかっていても、自己愛性パーソナリティ障害の人が離れていってしまうのが怖いので、一人の人間、一人の大人として、注意すべきことも注意できずすべてを肯定してしまいます。
決して自立を促すような存在にはなれません。
この点が共依存側の、結局は自分のことしか考えていないと言える点です。
最終的に、自己愛性パーソナリティ障害側の「わがまま」に共依存側がついていけず、自己愛性パーソナリティ障害側が、今までずっと自分を肯定してくれていた共依存側に対して恨みを持ち、裏切り者扱いして終わるパターンが多いです。
共依存側は要するに使い捨て人間です。
必要とされなくなったら捨てられる運命にあります。
ほんの少しでも指摘・注意・否定等をすることは許されません。
そうなると単なる「わがまま」レベルでは済まなくなるでしょう。
自己愛性パーソナリティ障害の人と共依存者の組み合わせは、真の愛ではないにもかかわらず、お互いに勘違いしてしまう可能性が高く、お互いに傷をえぐる関係にもなり得ます。

自己愛性パーソナリティ障害者との関係における危険信号

また、よく見られるケースですが、共依存側が自己愛性パーソナリティ障害の人に過度に執着してしまうことがあります。
頭では離れないといけないとわかっていながら離れられず、むしろ接触を自ら持ちに行ってしまいます。
自己愛性パーソナリティ障害の人からの洗脳が(別れた後でも)なかなか消えにくいのです。
そのため、薬物依存やギャンブル依存等からの回復と同じように、依存しているもの(この場合は人)から物理的に距離をとる等、なかなか接触できないよう、一定期間、自分を律する努力をし続ける必要があります。

脱洗脳のため定期的なカウンセリングは必須です ⇒ 詳細はコチラ

 離れないといけないということに、本人(共依存者)だけが気が付かないケースも多いです。
友人や家族が執拗に「離れた方が良い」と助言しているにもかかわらず、受け入れず、自己愛性パーソナリティ障害の人からの攻撃を受け、同じようなパターンを繰り返します。
あまり何度も繰り返すと、友人や家族が離れていくことがあります。
呆れられてしまうのです。
後述していますが、共依存側が自己愛性パーソナリティ障害の人の言動や行動に似てくることもあり、それによってさらに距離を取られてしまいます。
また、自己愛性パーソナリティ障害の人は、別れた後に恨みを持つ傾向にあるため、共依存側の友人や家族を巻き込むことがあります。
それを察知して、共依存側のあなたから離れた方が良い、となるのです。
いろいろな理由で、共依存側のあなたから離れていきます。
すると、共依存側は孤立してしまいます。
その孤独感から、どんな形であれ周囲にただ一人残ってくれた自己愛性パーソナリティ障害の人にしがみつくようになり、より一層離れられなくなります。
一人になるよりはそばにいてくれた方がマシ、となってしまうのです。
この危険な負のスパイラルにはまらないようにしていただきたいところです。
一度「離れた方が良いでしょうか」とご相談いただいた方から、半年後、1年後に再度ご連絡いただき、
「やっぱりあの時(前回私大村に連絡した時)に離れていれば良かった」
とおっしゃるケースも多いです。

%E8%87%AA%E5%B7%B1%E6%84%9B%E6%80%A7%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E9%9A%9C%E5%AE%B3%EF%BC%88%E4%BA%BA%E6%A0%BC%E9%9A%9C%E5%AE%B3%EF%BC%89%E3%81%A8%E5%85%B1%E4%BE%9D%E5%AD%98%E8%80%85%E3%81%AE%E6%9C%AB%E8%B7%AF visual selection 自己愛性パーソナリティ障害と共依存:なぜ惹かれ合い、なぜ離れらないのか

自己愛憤怒:突然の激しい怒りの正体

自己愛性パーソナリティ障害の人との関係で最も危険で予測困難な現象の一つが「自己愛憤怒」です。

自己愛憤怒とは

自己愛憤怒とは、自己愛性パーソナリティ障害の人が、自分の理想的なイメージが脅かされたり、期待通りに扱われなかったと感じた時に起こる、制御不能で激しい怒りの爆発です。
通常の怒りとは質的に異なり、相手を完全に破壊するまで続く執拗で冷酷な攻撃性が特徴です。

自己愛憤怒の引き金と行動パターン

自己愛憤怒は、軽微な批判や指摘でも「攻撃」と受け取って引き起こされることがあります。
例えば、建設的な意見を述べただけなのに、期待通りの感謝や賞賛が得られなかった時、自分以外の人が注目を浴びた時、些細な要求が通らなかった時など、客観的には些細なことでも「恥をかかされた」と感じれば激しい怒りが爆発します。
自己愛憤怒が始まると、まず激しい言葉の暴力が始まります。
人格を否定するような暴言、過去の傷を蒸し返しての攻撃、相手の価値を完全に否定する発言、周囲を巻き込んだ悪口や中傷などが容赦なく浴びせられます。
さらに恐ろしいのは、冷酷で計算的な復讐が続くことです。
相手の弱点を狙い撃ちし、長期間にわたって嫌がらせを継続します。
社会的な立場を貶めようとしたり、経済的な打撃を与えようとすることもあります。
同時に、被害者アピールも極大化されます。
自分が受けた「被害」を大げさに表現し、周囲に対して相手の悪行を吹聴して同情を集め、味方を作ろうとします。
最終的には相手を完全な悪者に仕立て上げようとするのです。

なぜ自己愛憤怒は危険なのか

自己愛憤怒の最も危険な点は、その予測不可能性にあります。
些細なことが引き金となるため、パートナー(夫や妻)は常に緊張状態に置かれ、何が怒りの引き金になるかわからないため萎縮してしまいます。
また、通常の怒りのように時間が経てば収まるものではなく、異常な執着性を持っています。
相手が完全に屈服するまで、または関係が破綻するまで続きます。
問題の本質ではなく相手の人格そのものを攻撃対象とするため、被害者の心に深い傷を残します。
さらに、家族、友人、職場など、あらゆる人間関係を巻き込んで攻撃を仕掛けることもあり、被害は本人だけにとどまりません。

共依存者が陥りやすい罠

 共依存傾向のある人は、自己愛憤怒に対して以下のような間違った対応をしがちですので気を付けましょう。

  • なだめようとする
    →火に油を注ぐ結果になります
  • 謝罪を繰り返す
    さらなる攻撃の口実を与えます
  • 理解しようとする
    →相手に理解可能な理由はありません
  • 愛で変えようとする
    →愛では解決できない問題です

自己愛憤怒への対処法

自己愛憤怒が始まったら、議論や説得は無意味です。
まず何よりも物理的に距離を取り、精神的・身体的安全を最優先にしてください。
自己愛憤怒は素人が対処できるレベルを超えているため、心理カウンセラーや場合によっては法的な専門家への相談を検討してください。
そして必ず記録を残してください(以下記載)。
相手の思う壺にはまらないよう、感情的に反応せず冷静さを保つことが重要です。
感情的になればなるほど、相手の攻撃は激しくなります。
「この人を理解できるのは自分だけ」「愛があれば変われる」という考えは危険です。
自己愛憤怒は愛情や理解で解決できる問題ではありません。
一度自己愛憤怒を目撃したら、それは相手の本性の一部であり、今後も繰り返される可能性が高いということを理解してください。
あなたの安全と心の健康のために、適切な距離を取ることを強くお勧めします。

「フーバリング」:別れ後の引き戻しとその対処法

自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の人との関係を断ち切った後も、安心はできません。
彼らはしばしば「フーバリング」と呼ばれる行動を使って、元パートナーを再び自分の影響下に引き戻そうとします。
フーバリングとは、掃除機(hoover)がほこりを吸い込むように、一度関係を終えた相手を巧みに再び支配下に置こうとする行為です。
この行動は、決して真の愛情や反省からくるものではありません。
自己愛性パーソナリティー障害の人にとって、元パートナーは自分の自尊心を満たしてくれる貴重な源、つまり「ナルシシスティック・サプライ」でした。
別れたことでこの供給源を失い、自己の空虚さや脆さが露呈するのを恐れているのです。
彼らは、あなたが再び自分の支配下に戻ることで、失われた優越感やコントロール感を取り戻したいだけなのです。
フーバリングの手口は多岐にわたります。
最も多いのは、涙を流しながら「君がいないと生きていけない」「本当に反省した」と謝罪し、再出発を懇願することです。
これは口先だけの言葉であることが多く、信じてはいけません。
また、出会った頃の楽しかった出来事やロマンチックな思い出を繰り返し持ち出し、美化された過去に引き戻そうとすることもあります。
しかし、良い思い出の裏には、あなたを苦しめた支配やモラハラがあったことを忘れてはいけません。
さらに、同情を誘う手口として「仕事で大きな失敗をした」「家族が病気になった」といった状況をアピールしたり、「死にたい」と自殺をほのめかしたりすることもあります。
これらはあなたの優しさにつけこむための巧妙な罠であり、決して真に受けてはいけません。
もしこれらの手口が通用しないとわかると、彼らは一転して攻撃的になり、「お前がいなくなってせいせいした」といった侮辱的な言葉を投げかけてくることもあります。
これは彼らの自己愛憤怒が再燃した証拠であり、この罵倒に反応することは、相手にまだあなたがコントロール可能だと誤解させるだけです。
この有害なサイクルを断ち切るためには、徹底した対策が必要です。
まず、彼らとの連絡手段を完全に遮断する(ノーコンタクト)ことが不可欠です。
電話番号、メール、SNSのすべてをブロックし、共通の友人や家族には仲介者にならないよう明確にお願いしましょう
また、偶然の再会を避けるため、彼らがいる可能性のある場所には近づかないように物理的な距離を保つことも重要です。
もし執拗な連絡やストーカー行為が続く場合は、警察や弁護士といった法的な専門家に相談することをためらわないでください。
フーバリングは精神的に非常に消耗するため、専門のカウンセリングを受けることで、傷ついた心を癒し、次の健全な関係へと進む準備ができます。
フーバリングは、あなたが過去の関係に引き戻されるかどうかの最後の試練です。
彼らの巧妙な手口に惑わされず、あなたの安全と心の健康を第一に考えることが、この有害なサイクルを断ち切る唯一の方法なのです。

関係を終わらせる決断と準備

また、散々振り回され様々な被害を受けた共依存側は、どうにかしてギャフンと言わせてやろうと思ったり、自分(自己愛性パーソナリティ障害側)がやったことがいかに酷いことかをわからせようとしたい、等と思うことがあると思います。
むしろこういった気持ちの強さが離れられない原因になっているということもあると思います。
気持ちはわかりますが、通じないのでやめた方が良いです。
一つ言えることは、今現在が一番被害が最小だ、ということです。
信じられないかもしれませんが、今現在が一番傷が浅い状態です。
関われば関わるほど被害が拡大します。
ですから、自己愛性パーソナリティ障害側から「別れたい、離婚したい」と言われている方は、それは離れられるビッグチャンスだと思ってください。
もし自己愛性パーソナリティ障害側に浮気(不倫)相手がいるなら、その人にあてがってください。
ぜひ押し付けて引き取ってもらってください。
共依存側は「捨てられた」のではなく、「捨てた」と思ってください(実際そうですからね)。
変に、復讐や無駄で通じることのない話し合いをしようとして怒りを買って執着される前に離れてください。
どうしても気持ちの整理がつかない場合はご連絡ください。
また、両者共に自他の区別がつきにくい(相手は自分であるという感覚が強い)ため、両者共にストーカー化する可能性が高い関係です。
別れ方にも注意が必要です。
以上まとめると、本当に本当の末路は、
共依存側の人も自己愛性パーソナリティ障害の人も両者共に孤立する、
ということになります。

%E4%B8%80%E3%81%A4%E8%A8%80%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E4%BB%8A%E7%8F%BE%E5%9C%A8%E3%81%8C%E4%B8%80%E7%95%AA%E8%A2%AB%E5%AE%B3%E3%81%8C%E6%9C%80%E5%B0%8F%E3%81%A0%E3%80%81%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82 visual selection 自己愛性パーソナリティ障害と共依存:なぜ惹かれ合い、なぜ離れらないのか

事実の書き換えに惑わされないように

2861556F 1DB5 4DB8 B6A1 517CEAA8E102 自己愛性パーソナリティ障害と共依存:なぜ惹かれ合い、なぜ離れらないのか

離婚か修復かいずれにしても日記のようなものをつけておくことが大事です。
ボイスレコーダー等で会話を録音しておくことも大事です。
なぜなら、自己愛性パーソナリティ障害の人は平気で事実を書き換えるからです。
一度認めたことも時間を経て(あなたが忘れた頃を見計らって)書き換えをしてきます。
例えばこんな例があります。

  • 不倫をした→「ただ相談にのってもらっていただけだったんだ(あるいは、相談にのっていただけだったんだ)」
  • 不倫をした→「おまえが心配しないように(不倫相手のことを)おまえに話さないようにしていたんだ」
  • あなたのことを無視した→「おまえが無視したからおれも無視することにしたんだよ!(あなたは無視していないのに)」
  • あなたの呼びかけに応じない→「おまえが話し合いに応じないから話が進まないんだよ!」 →完全に責任転嫁ですね。
  • あなたが不倫を問い詰めた→「あんな(中途半端な、抽象的な)言い方じゃわからない(から不倫を続けた)!」 これは不倫に対する正当化も暗にほのめかしていますね。理解力のない自分を演じることで、不倫について問いつめられていたことに気がついていなかった、ということにしています。

 等々あなたへ責任転嫁してきます。
(補足:そもそも「おまえ」という言葉を使う人は気を付けた方が良いです。それと、男性が自己愛性パーソナリティ障害という設定で例を書きましたが、もちろん男女逆のこともあります)
このように、自己愛性パーソナリティ障害の人は口が上手い人が多く、自分でもそれをわかっているせいか、なるべく会って話そうとしてきます。
1対1になって会って話そうとしてくるのです。
1対1になって会って話せばどうにかなる、自分のペースにもっていける、と思っています。
メールより電話、電話より対面を好むのです。
「大事な話は会ってするべき」という共依存やアダルトチルドレンの真面目さも利用して洗脳してきます。
その真面目さは決して悪いことではありませんが、対自己愛性パーソナリティ障害の人に関しては、少し考えた方が良いです。
とは言っても、どうしても1対1の対面で話さざるを得ない場合は、以下記載の通り、ボイスレコーダー等で録音することをオススメします。  

記録のススメ、記録はお守り

icon face05 自己愛性パーソナリティ障害と共依存:なぜ惹かれ合い、なぜ離れらないのか

以上のように時間軸の逆転因果の逆転をして書き換えてきます。
自分を守るためなら見境ないです。
脳の働きも関係しているのですが、本気でこのような発言をしてくるため、 あなたは「本当にそれが事実なのではないか」という気になってきませんか?
そこで飲み込まれないようにしてください。
そのために日記やボイスレコーダー(アプリもあります)は必須です。
何かの証拠として役立たせることだけでなく、
記録したものを後で見返すことで事実を冷静に確認でき、飲み込まれることを防ぐことにもなります。
「そんなことを言った(言われた)覚えはない」等言った言わないの話になった時に飲み込まれずに済みます。
また、相手の発言を記録するという意味もありますが、自分の発言を記録するという意味もあります。
自分が何を言って何を言わなかったのかを忘れてしまうのを防げます。
忘れてしまうと今後の戦略に響くため、重要です。
記録はお守りです。
また、無視されるということについて少し付け加えさせてください。
上で、「おまえが無視するようになったからおれも無視することにしたんだよ!」という発言の例を書きましたが、
そうならないよう最低限挨拶程度はあなたの方から行ってください。
おはよう、おやすみ、ただいま、おかえり等々。
その時もボイスレコーダー等で記録しておくことが大切ですね。
自分から挨拶して相手が無視するという状況の記録はあなたにとって余裕を与えるでしょう。
また、無視されることは本当に辛いことではありますが、実は無視する方も辛いのです。
無視することで潜在意識では自分の首を絞めているのです。
これさえ知っておけば、無視されても少し辛さを軽減できませんか?
相手のペースにはまらない工夫を試してみてください。
※このような書き換えは自己愛性パーソナリティ障害の人だけに当てはまるわけではありません。モラハラ加害者全般に言えます。

以上いろいろと書きましたが、基本的には自己愛性パーソナリティ障害の人とは話ができないと思ってください。
理由は、自己愛性パーソナリティ障害の人は、客観的な事実はどうでも良いと思っているからです。
結論ありきでストーリーを考える、と言い換えても良いです。
結論というのは、「自分が被害者で相手が加害者という構図」のことです。
例えばどういうことかというと、もしこれから不倫をしようと思うなら、あるいは、既に不倫をしてしまった後に、「自分は○○されたから不倫をしても仕方がない」というストーリーを作るのです(不倫を例にしていますが、不倫に限らずDVやモラハラについても同じです)。
「○○されたから」という客観的な事実はなくても良く、つまりでっちあげで良く、とにかく自己愛性パーソナリティ障害の人の中で辻褄が合っていれば良いと思っているのです。
通常は、客観的な事実に基づいて話し合いが行われますが、それを完全に無視して堂々とでっちあげたストーリーを押し通してくるのです。
こんな人と話し合いができるはずがありませんよね。
ですから、「○○されたから」と言われて、被害者の人はそれを真に受けないようにしないといけません。
そもそも不倫やDV等はどんな理由があってもして良い理由にはなりませんからね。
もちろん「自分が被害者で相手が加害者という構図」を、以上のようにでっちあげる人もいれば、歪みによって本当にそう見えるために本気で思っている、という人もいます。
いずれにしましても、話ができないということには変わりありません。

自己愛性パーソナリティ障害チェックリスト

チェックリストを作って欲しいとの要望が多かったので作成しました。
理想の自分には程遠いという現実を認められないが故の結果が以下のものとなっていると思います。 

【重要:自己判断せず、専門家にご相談ください】

このチェックリストは、パートナーの言動や行動について、自己愛性パーソナリティ障害の可能性を検討するため、そしてご自身の感じ方や反応を振り返り、関係性について理解を深めるための目安としてご利用ください。いずれの場合においても、このチェックリストの結果のみでご自身や第三者がパートナーを断定したりせず、最終的な診断や治療は精神科医などの医療専門家にご相談ください。心理的なご相談や関係性の見直しについては、私大村のような専門家にご相談いただけます。

  • 1.自己肯定感が低いがプライドは高い
  • 2.自分の思い通りに動いてくれる利用できる人(イエスマン)を好む
  • 3.自分の意に沿わない相手の意見はすべて非難・拒絶する
  • 4.日常的に嘘をつく
  • 5.自分の嘘を本当だと思い込む
  • 6.上手くいかないことがあると人のせいにする (自分のミスは相手のミスにし、相手のミスは相手の自尊心を下げて支配するために利用する)
  • 7.自分が絶対に正しいと思っている
  • 8.浮気(不倫)、DV・モラハラ、借金等を正当化する
  • 9.絶対に謝らない、謝ったら自分を否定することあるいは負けだと思っている
  • 10.思い通りに動かない相手に暴力をふるう、侮辱、罵倒あるいは無視する
  • 11.白か黒か、全か無か、0か100かの二者択一的な思考である
  • 12.人を敵か味方かで判断する
  • 13.何事も勝負事として考える
  • 14.自分が勝つ(相手が屈服する)まで復讐する
  • 15.自分の攻撃による相手の防衛を攻撃と見なす
  • 16.相手からの被害をずっと覚えている
  • 17.相手からの被害を周囲に吹聴し、被害者アピールをする
  • 18.被害者だと思い込む
  • 19.話をすり替える(時間軸や因果を書き換える)
  • 20.人の話を都合の良いように解釈する
  • 21.都合の悪いことは忘れるあるいは忘れたフリをする
  • 22.相手の意見を「否定された」「侮辱された」と解釈する
  • 23.過去の栄光にすがる 同じ自慢話を何度もする
  • 24.できないことはやらない
  • 25.理解できないことは否定する
  • 26.見栄っ張りである(収入に見合わない高級品を購入する)
  • 27.周囲の人が一目で「あなたのことだよ」とわかるようなことを相手に言う (「人のせいにするな」「嘘をつくな」「話をすり替えるな」等)
  • 28.外面は良い
  • 29.病院やカウンセリングに行こうとしない
  • 30.病院やカウンセリングで嘘をつく

 補足情報:MSDマニュアル家庭版「自己愛性パーソナリティ障害」もご参照ください

チェックリストからは除きましたが、自己愛性パーソナリティ障害の人は、パートナーに対して酷い暴言を吐いたりしてまともに話せないような気まずい関係になっても、翌日にはリセットされ何もなかったかのように接してくる(アスペルガー症候群にも同様の傾向があります)ことがあります。
何もなかったように接してきたり、普通にデートに誘ってきたりして、気まずさというものがないのです。
記憶障害という説もあります。
別れた後でも、タイミングを見計らって連絡してくることがあります。

<関連ページ>

 また、自己愛性パーソナリティ障害の人がプレゼントをあげることもありますが、大抵の場合、相手が欲しいものではなく自分があげたいものをあげる傾向にあります。
このように、一事が万事一方通行です。
そして相手が思うような反応を示さなかった時に怒ります。
「こんなにしてやったのに」が口癖です。
結局自分しか見ておらず、相手を見ていないということです。
「○○をプレゼントしている自分はなんて素敵なんだ!」という面(自分の気持ち )しか見えていないのです。
また、「自分はいろんなことを一方的にしてもらえる立場」だと勝手に思い込んでいます。
自分がそんな恩恵を受ける立場ではないことにどうしても気が付けません。
必然的に周囲に不満ばかりが募ります。
健全な人であれば当たり前に感謝するようなことを結構頻繁にされているのですが、「自分はもっと特別にしてもらえる立場」だと思い込んでいるので、いずれにしても不満になります。
公平に扱われているのにもかかわらず不公平に扱われていると勘違いしてしまいます。
つまり自分のこと(社会的な立ち位置)を全くわかっていないのです。
これは周りのことに目が向いていないという証拠です。
このような思考ですのでどこに行っても不満になり、「なぜ自分ばっかりこんな目にあうのか」という被害者意識を強めるのです。
「自分が絶対に正しい」という思考がある限り変わることはないです。

自己愛性パーソナリティ障害の人はどのようにターゲットを支配していくのか

自己愛性パーソナリティ障害の人が共依存者を引き込む際に使う代表的な手法に「ラブボミング」があります。
ラブボミングとは、関係の初期段階で相手に過度な愛情や関心を示し、理想的なパートナーを演じることで相手を魅了し、依存させる操作的な行動パターンです。

具体的なラブボミングの行動例

  • 出会って間もないのに「運命の人だ」「こんな人に出会えるなんて」と言う
  • 毎日のように連絡をとりたがり、常にあなたのことを考えていることをアピール
  • 高価なプレゼントや豪華なデートで特別扱いしてくれる
  • あなたの話を熱心に聞き、深く理解してくれているように振る舞う
  • 将来の約束(結婚、同棲など)を早い段階で持ちかける
  • 「君だけが僕を理解してくれる」「君がいないと生きていけない」などの特別感を演出

なぜラブボミングに騙されてしまうのか

共依存傾向にある人は、自己肯定感が低く「愛されたい」「必要とされたい」という欲求が強いため、このような過度な愛情表現に深く感動し、「この人は本当に私を愛してくれている」と信じ込んでしまいます。
しかし、これは相手をコントロールするための戦略的な行動であり、真の愛情ではありません。

ラブボミング後に起こること

相手が十分に依存状態になったと判断すると、今度は態度が豹変します。
連絡が減る、冷たくなる、批判的になる、などの変化が現れ、最初の頃の優しさはどこへやら、モラハラや支配的な行動が始まります。
この段階は、心理学的に「脱価値化」と呼ばれ、相手を意図的に軽視し、価値を下げるような言動や行動をとる時期です。
この落差によって、被害者は「最初の頃の優しい彼(あるいは彼女)に戻ってほしい」と強く願うようになり、より一層関係から抜け出せなくなるのです。

なぜ自己愛性パーソナリティ障害の人に惹かれてしまうのか

D9AFDA8D F762 4D0B BC91 A1E0619F6D86 自己愛性パーソナリティ障害と共依存:なぜ惹かれ合い、なぜ離れらないのか

自己愛性パーソナリティ障害の人には、
「自分は特別であり、自分を理解することができる人だけが、自分に近づく権利がある」
という思考の特徴があります。
本当は、現実が理想に及ばずにそのギャップに苦しむが故に生まれる特徴で、自分を守るため、自分や他者からの視線を誤魔化すため、の特徴でもあります。
自尊心や自己肯定感は努力をして理想に近付いていくことで高まるものですが、自分を誇大化することでなんとか表面だけ保っている、というイメージです。
努力せずに今の自分のまま、自分に対するイメージだけをただひたすらに誇大化しているだけなので、当然自尊心や自己肯定感は高まりません。
そのため、意外と(本当は意外ではない)脆く、他者からの助言や苦言を聞き入れることに抵抗を示します。
侮辱されると攻撃的になるのは自己防衛のためです。
長期的なプラスではなくとにかく目先のプラスを優先します。
そのような特徴が、共依存やアダルトチルドレンの特徴を持っている人(共依存側)にとっては魅力に映ってしまうことがあります。
なぜなら、共依存側の人もまた、自尊心や自己肯定感が低いからです。
このような自信に満ちた人が自分のものになれば、自分の脆い自尊心や低い自己肯定感を埋め合わせることができる、と思い、惹かれ、近付いてしまうのです。
自分で自分を満たせないため、自信に満ちた人と一心同体になることで自分を満たそうとするのです。
※「自信に満ちた人」と書きましたが、本当は偽りの自信です。ですが、両者(自己愛性パーソナリティ障害の人、共依存側)共に、偽りであるとは気が付きません。

icon face11 自己愛性パーソナリティ障害と共依存:なぜ惹かれ合い、なぜ離れらないのか

自己愛性パーソナリティ障害の人とそれに惹かれる人には共通点があります。
それは、手っ取り早く自分を良く見せることができるインスタントなものにとても弱い、という特徴です。
インスタントなものとは、努力せずともすごい自分になった気になれるもの、と言い換えても良いです。
例えば、自己愛性パーソナリティ障害の人は、ブランドもので全身を着飾ったり、高級車、高級時計等を手にしたり身に着けることによって、良く見せようとしがちです。
決して、ブランドものや高級車や高級時計等、その物自体が悪いと言っているわけではありません。
それらを手にする、それらを身に着ける動機(自分を良く見せるため)が良くないのです。
自分の内面から出る真の自信ではないため、いくらそういったものを手にしたり身につけても本当の自信にはなりません。
本当に自信のある人は、そういったものに頼る必要はありません。
また、自己愛性パーソナリティ障害の人は、高級レストランや高級ホテルにパートナーを連れて行き、高級なプレゼントをしがちです。
高級であることが重要なのです。
「そこに行ける自分」「そこに連れて行ける自分」を好きなだけであることが多いです。
一方で、自己愛性パーソナリティ障害の人に惹かれるパートナーの方は、高価なものを手にしたり身に着けることができる人のそばにいることで、すごい自分になった気になります。
高級レストランや高級ホテルに「連れて行ってもらえる自分」に満たされるのです。
もちろん一過性のものですので、すぐに虚無感に襲われます。
また、「自分にいくらお金をかけてくれたか」「(してくれたことが)いかにドラマチックか、ロマンチックか」という点で愛情をはかる人が多く、そのためお互いのニーズがマッチしてしまうのです。
自分の幸せを相手に委ねている人の傾向でもあります。
そのためか、自己愛性パーソナリティ障害の人がDVやモラハラや浮気(不倫)等酷いことをしたお詫びとして、高級レストランや高級ホテルに連れて行ってくれたり、ブランドものを買ってきてくれたりすることを、愛情や誠意と見なしてしまいがちです。
健全な人であれば愛情や誠意と見なさないものを愛情や誠意と見なしてしまい、許してしまうのです。
本来お詫びにならないものをお詫びとして認めてしまう、ということです。
結果、自己愛性パーソナリティ障害の人は、「高級な場所に連れて行ったり、高級なプレゼントを買ってきさえすれば良い」となり、パートナーはますます軽く扱われるようになるのです。
自己愛性パーソナリティ障害の人に魅力を感じない自分になりたいなら、そして離れたいのなら、以上のようなことをまず認めることです。
そしてちゃんと努力して本当の自信を身に着けていきましょう。

%E8%87%AA%E5%B7%B1%E6%84%9B%E6%80%A7%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%AB%E6%83%B9%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%85%B1%E9%80%9A%E7%82%B9 visual selection 自己愛性パーソナリティ障害と共依存:なぜ惹かれ合い、なぜ離れらないのか

自己愛性パーソナリティ障害の人から人が離れていく理由:他責思考の極み

自己愛性パーソナリティ障害の人は、「自分が悪いのかもしれない」「自分に原因があるのかもしれない」と考えることはありません。
「考えない」というより、そのような自責の思考ができる機能が欠落していると思った方が良いです。
しかも、何か良い結果になった時は自分のおかげと捉え、悪い結果になった場合は相手が悪いと捉えます。
そして行動の動機はすべて自分のためです。
健全な人は、このような自己中心的で、他責思考かつ利他性を持ち合わせていない人からは離れます。
しかし、共依存やアダルトチルドレンの特徴を持っている方にとっては、またしてもそれが魅力に映ることがあり、さらに他の人が離れていき孤立しているのを見て、「自分だけがわかってあげられる」「かわいそう」と思ってしまいます。
なぜ周囲の人が離れているのかが分からない(現実を見ない)のです。
実際、友人がほとんどいない人が多いです(いても、異性であることが多く、同性の友人は少ないです)。
→同性には「張った見栄」や「誇張された武勇伝」を見破られやすいからです。
→恋愛関係の方が自分を賞賛してくれたり理想化してくれやすいからです。
当然、結婚離婚も何度も同じパターンで繰り返します。
また、仕事が続かずに転職を繰り返す、という方が多いです。
→彼らの転職の主な理由は、人間関係が上手くいかない(大抵自分が原因)ということはもちろん、「(こんな仕事は)自分のような優秀な人がやることではない!」というような驕りや勘違いも多いです。
さらに、自己愛性パーソナリティ障害の方は組織に属することが難しく、自営の方も多いですが、それも上手くいかないことが多いです。
→対クライアントだけでなく、同僚・部下とも上手くいきません。実際裁判を起こされている人も多いです。
以上のような特徴から、「(友人が自分を)裏切った」「(前の妻あるいは夫が)酷い人だった」「(職場の上司や同僚に)自分だけ雑に扱われた」「(自営は)〇〇のせいで上手くいかなかった」等といった話(自分は被害者だという話)を何度も聞かされることになると思います。
しかし、共依存やアダルトチルドレンの特徴をもった方は、自己愛性パーソナリティ障害の人の発言を真に受け、「なぜそんな辛いことが繰り返されるのか、かわいそう」とは思っても、「もしかしてこの人にも問題があるのではないか」と思うことはありません。
これが危険なのです。
そのような危険性を考慮せず、表面的にしか見ることができていないと、「こんな特別な人だけが近づくことができる人に認められている自分ってすごいのかも」と勘違いしてしまいます。
→前述した、ラブボミングによって、洗脳され、客観的に見ることができなくなっていることも原因です。
共依存を超えて、自己愛性パーソナリティ障害の特徴がうつることもあります。
「侵食される」と言っても良いかもしれません。
ここまでくることはまれではありますが、気を付けてください。
なぜ周囲の人は離れていくのか、客観的な目で見てもらいたいと思います。
離れていかれるだけの理由がきっとあります。  
なかなか納得できるものではないと思いますが、共依存やアダルトチルドレンの特徴を持った方は、機能不全家族で育ったことで、不安定な人に魅力を感じてしまうようです。
安定した人よりも不安定な人の方が無意識の部分で安心しているのです。
育った環境、日常が不安定だったため、不安定なことに慣れ親しんでいるのです。
自己愛性パーソナリティ障害のような人に魅力を感じるという方は、安定した人を「平凡でつまらない退屈な人」と判断する傾向にないでしょうか?
少し思い返してみてください。  

<関連ページ>このあたり、以下の記事で深掘りしています↓

「死にたい」と言われたら離れましょう

自己愛性パーソナリティ障害の人と良好な人間関係を形成するのは難しいです。
自分が中心でないと気が済まない上、常に「誰も自分のこと(自分の偉大さ)をわかってくれない」という恨みにも似た不満を持ち、周囲を混乱させます。
自分のことを客観視できないため、あきらかに周りを振り回しているにもかかわらず、本気で自分が被害者だと思っています。
パートナーに対して求めるものに際限がなくなり、パートナーは手に負えなくなり、やがて満たされなくなり、浮気(不倫)等が多くなります。
そんな風に周囲を混乱させてしまったり、また、浮気(不倫)がバレたりというようなことがあると、「死にたい」と自殺をほのめかす言葉を口にすることがあるでしょう。
自己愛性パーソナリティ障害の人の「死にたい」は、「自分がいなくなれば、周りの人は後悔するだろう」というような、他者への影響を強調する表現が多いです。自分の苦しみを理解させて特別な扱いを求める手段として発言することが多いです。
「死にたい」という発言は最大の脅しですが、彼らの言う「死にたい」は単なる脅し以上のものがあります。
自己中心的な発言の象徴です。
これを言われたらどうすることもできませんよね?
無視して放って本当に死んでしまったら…一生罪悪感に苛まれることになりますからね。
見た目とは裏腹に、計算した言動であることが多いです。
さらに付け加えると、自己愛性パーソナリティ障害の人は、生きている価値はないとは思っていても、反省はしていません。
結論としては、離れることが賢明です。

<関連ページ>
境界性パーソナリティ障害の人も「死にたい」と言うことがありますが、自己愛性パーソナリティ障害とは意味合いが異なります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【重要】最後に念のため、非常に重要な点をお伝えしておきますが、浮気(不倫)などがなく、あなたを振り回していない上での「死にたい」という発言であれば(うつ病等が原因)、それは脅しではなく、本当に助けを求めているサインかもしれません。このような場合は、決して放置せず、しっかりと話を聞き、専門機関への相談を促すなど、できる限りのサポートをしてあげてください。このページで「離れた方が良い」と言っているのは、あくまでも、自身が浮気(不倫)等良からぬことをしたにもかかわらず、自己防衛的でかつあなたに罪悪感を持たせて縛り付けるために「死にたい」と言う場合についてです。この点に十分ご注意ください。自己判断が難しいと感じた場合は、ためらわずに信頼できる第三者や専門家にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1.自己愛性パーソナリティ障害の人と共依存体質の人は、なぜ惹かれ合うのですか?

A.お互いの満たされていない欲求が噛み合ってしまうためです。自己愛性パーソナリティ障害の人は無条件に肯定してくれる相手を求めやすく、共依存体質の人は必要とされることで自分の価値を感じようとしやすい傾向があります。そのため関係初期は強い一体感が生まれやすくなります。例えば「君だけがわかってくれる」「あなたは特別だ」と言われ、強い安心感や高揚感を覚えるケースです。もし「嬉しいのにどこか苦しい」と感じているなら、その感覚は無視しないでください。

Q2.正常な自己愛と、自己愛性パーソナリティ障害の人の自己愛との違いは?

A.「自己評価を現実に合わせて調整できるかどうか」が大きな違いです。正常な自己愛は、失敗や指摘があっても「自分には未熟な部分もある」と受け止め、現実に合わせて自己像を修正できます。一方、自己愛性パーソナリティ障害の人は、理想の自分像を守ることが最優先になり、現実がそれに合わないと強い不快感や怒りを感じます。例えば、正常な自己愛の人は「今回はうまくいかなかった」と振り返れますが、自己愛性パーソナリティ障害の人は「自分は悪くない」「周りが悪い」と他人のせいにして自己評価を守ろうとします。

Q3.自己愛性パーソナリティ障害の人の「過去の事実の書き換え」からどう自分を守れば良いですか?

A.日記や録音ツールなどを用いて客観的な事実を冷静に記録し続けることが非常に重要です。自己愛性パーソナリティ障害の人は、「自分は被害者、相手は加害者」という結論ありきで物事を語り、都合の悪い事実や発言を平気で変えてきます。相手の巧みな話術に直面すると、「もしかして自分が間違っているのかも」と混乱し、その言い分に精神的に飲み込まれそうになるからです。例えば、相手の責任を追及したはずが、「あなたが話し合いに応じなかったからだ」と責任転嫁されるケースがあります。冷静な記録があれば、相手の言葉に惑わされずに済みます。今あなたが抱いている「この関係はおかしい」という違和感は、どうか大切にしてください。その違和感を裏付ける客観的な記録こそが、あなた自身を守る盾になります。

Q4.自己愛性パーソナリティ障害の人が別れた後も連絡してくるのは、なぜですか?

A.反省ではなく「支配関係を取り戻すため」の引き戻し行動であることが多いです(フーバリングといいます)。自己愛性パーソナリティ障害の人にとって元パートナーは自尊心を満たす存在であり、それを失うと不安から取り戻そうとします。泣いて謝る、過去を美化する、困り事を強調する、「死にたい」と言う、うまくいかないと急に罵倒に切り替わる、などが典型です。連絡の言葉ではなく、その「目的」を冷静に見てください。

Q5.自己愛性パーソナリティ障害の人は、なぜ被害者意識が強いのですか?

A.自分を「悪い側」として認識できない心理構造を持っているためです。自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分が間違っている・加害していると認めると、自己価値そのものが崩れてしまいます。そのため無意識のうちに、「自分は被害を受けた側だ」という立場に立つことで、心の安定を保とうとします。例えば、自分の暴言や支配的な態度が原因で関係が悪化しても、「相手が冷たかった」「理解してくれなかった」と解釈し、自分は傷つけられた存在だという物語を作ります。あなたが感じている「話が噛み合わない」「事実がねじ曲げられている気がする」という違和感は、気のせいではありません。

Q6.自己愛性パーソナリティ障害の人にとって、どんな対応が最も苦痛を感じますか?

A.「感情的に反応せず、淡々と境界線を守られる対応」が最も苦痛と感じやすいです。自己愛性パーソナリティ障害の人は、相手の反応(怒り・謝罪・動揺・説得)から自尊心や優位性を保とうとする傾向があるため、それが得られない状態が続くと強い不安や空虚感に直面します。例えば、挑発や責任転嫁に対して言い返さず、「その話題には応じません」「今日はここまでにします」と事実だけを伝えて会話を終える、過度な説明や弁明をしない、といった対応です。

\私、大村本人が直接ご返信いたします/初回無料メール相談はこちらをクリック

【電話】080-4598-9900 【受付時間】09:00~21:00

※おかけ間違いのないようにご注意ください。

大村本人がご返信いたします。
初回無料メール相談はこちら

共依存・夫婦問題でお悩みの方はまずは
お気軽にご相談ください!

【電話】080-4598-9900
【受付時間】09:00~21:00

※おかけ間違いのないようご注意ください。

大村本人がご返信いたします。