自己愛性パーソナリティ障害(人格障害)と共依存
【この記事を読んでわかること】
・自己愛性パーソナリティ障害と共依存の関係性とその危険な組み合わせ
・なぜ自己愛性パーソナリティ障害の人と共依存者が惹かれ合うのか
・自己愛性パーソナリティ障害の人の特徴と行動パターン(事実の書き換え、被害者意識など)
・共依存者がこの関係から抜け出せない心理的メカニズム
・関係を終わらせる時の注意点と自分を守るための具体的方法
・自己愛性パーソナリティ障害チェックリストと見分け方
・健全な関係に戻るためのステップと心構え
自己愛性パーソナリティ障害の人と共依存者の関係は、一見強い絆で結ばれているように見えながら、実は両者にとって有害な関係性であることが少なくありません。
この記事では、なぜこの組み合わせが生まれやすいのか、どのようなパターンで関係が進行していくのか、そしてどうすれば健全な関係を築けるのかについて詳しく解説します。
「この人のためなら何でもしてあげたい」「私だけが理解してあげられる」と思いながらも、常に疲弊し、自分を見失っているように感じる方。
または「何をしても相手に認めてもらえない」「いつも自分が悪いように責められる」と感じている方。
もしかするとこの記事があなたの状況を理解する手助けになるかもしれません。
目次
自己愛性パーソナリティ障害と共依存者の関係構造
自己愛性パーソナリティ障害の人と共依存者の組み合わせは、仮に結ばれたとしても破綻する確率は高いです。
実際にやり取りされた会話やメールの内容を見ても、多くの場合、”傷の舐め合い”のように感じられます。
お互いに「あなたも傷ついているよね」「わたしも同じ」と共感し合っているようで、実はその痛みに酔いしれ、そこに”絆”を見出そうとしています。
しかし、この”傷の共有”は、癒しや本当の意味での”支え合い”とは似て非なるものです。
表面的には相手のことを思っているように見えますが、実際には、どちらも「自分の満たされなかった欲求」や「自分の孤独」を埋めるために相手を使っているに過ぎません。
両者共に自分のことしか考えていません。
自己中心的な動機のぶつかり合いに過ぎないのです。
しかもその関係は決して対等ではありません。
自己愛性パーソナリティ障害の人は、無意識のうちに「自分にとって都合よく動いてくれる存在」を探し求め、共依存者は「見捨てられたくない」「必要とされたい」という思いから、ついその期待に応えてしまいます。
それを「愛」と勘違いしてしまうのです。
しかし、それは真実の愛とはまったく異なるものです。
自己愛性パーソナリティ障害と共依存の末路
自己愛性パーソナリティ障害の人は、無意識で自分の都合の良いように動いてくれる相手を探しています。
(出典:MSDマニュアル家庭版「自己愛性パーソナリティ障害」)
決して自分のことを否定しない相手(イエスマン)を好みます。
そしてギブアンドテイクのギブの部分がありません。
ギブは仮にあったとしてもテイクするためのギブ、あるいは自己満足で相手を見ていないギブです。
一見優しさに見えるようなこともすべて自分のためです。
つまり偽りの優しさということになります。
相手のことは、自分が輝いていられるため(偽りの輝きですが)のアクセサリー程度にしか思っていません。
自分に献身してくれるその姿を意識の上では愛だと勘違いしています。
一方で共依存側の人は、自分がただのアクセサリー程度の役割であることに気付かず、むしろ頼られていると感じ、喜びを感じてしまいます。
ただ利用されているだけなのですが、自己肯定感が低いため気が付きません。
どんなに自分(共依存者)が被害を受けても、そしてどんなに周囲の人に迷惑がかかっていても、自己愛性パーソナリティ障害の人が離れていってしまうのが怖いので、一人の人間、一人の大人として、注意すべきことも注意できずすべてを肯定してしまいます。
決して自立を促すような存在にはなれません。
この点が共依存側の、結局は自分のことしか考えていないと言える点です。
最終的に、自己愛性パーソナリティ障害側の「わがまま」に共依存側がついていけず、自己愛性パーソナリティ障害側が、今までずっと自分を肯定してくれていた共依存側に対して恨みを持ち、裏切り者扱いして終わるパターンが多いです。
共依存側は要するに使い捨て人間です。
必要とされなくなったら捨てられる運命にあります。
ほんの少しでも指摘・注意・否定等をすることは許されません。
そうなると単なる「わがまま」レベルでは済まなくなるでしょう。
自己愛性パーソナリティ障害の人と共依存者の組み合わせは、真の愛ではないにもかかわらず、お互いに勘違いしてしまう可能性が高く、お互いに傷をえぐる関係にもなり得ます。
自己愛性パーソナリティ障害者との関係における危険信号
また、よく見られるケースですが、共依存側が自己愛性パーソナリティ障害の人に過度に執着してしまうことがあります。
頭では離れないといけないとわかっていながら離れられず、むしろ接触を自ら持ちに行ってしまいます。
自己愛性パーソナリティ障害の人からの洗脳が(別れた後でも)なかなか消えにくいのです。
そのため、薬物依存やギャンブル依存等からの回復と同じように、依存しているもの(この場合は人)から物理的に距離をとる等、なかなか接触できないよう、一定期間、自分を律する努力をし続ける必要があります。
脱洗脳のため定期的なカウンセリングは必須です ⇒ 詳細はコチラ
離れないといけないということに、本人(共依存者)だけが気が付かないケースも多いです。
友人や家族が執拗に「離れた方が良い」と助言しているにもかかわらず、受け入れず、自己愛性パーソナリティ障害の人からの攻撃を受け、同じようなパターンを繰り返します。
あまり何度も繰り返すと、友人や家族が離れていくことがあります。
呆れられてしまうのです。
後述していますが、共依存側が自己愛性パーソナリティ障害の人の言動や行動に似てくることもあり、それによってさらに距離を取られてしまいます。
また、自己愛性パーソナリティ障害の人は、別れた後に恨みを持つ傾向にあるため、共依存側の友人や家族を巻き込むことがあります。
それを察知して、共依存側のあなたから離れた方が良い、となるのです。
いろいろな理由で、共依存側のあなたから離れていきます。
すると、共依存側は孤立してしまいます。
その孤独感から、どんな形であれ周囲にただ一人残ってくれた自己愛性パーソナリティ障害の人にしがみつくようになり、より一層離れられなくなります。
一人になるよりはそばにいてくれた方がマシ、となってしまうのです。
この危険な負のスパイラルにはまらないようにしていただきたいところです。
一度「離れた方が良いでしょうか」とご相談いただいた方から、半年後、1年後に再度ご連絡いただき、
「やっぱりあの時(前回私大村に連絡した時)に離れていれば良かった」
とおっしゃるケースも多いです。
関係を終わらせる決断と準備
また、散々振り回され様々な被害を受けた共依存側は、どうにかしてギャフンと言わせてやろうと思ったり、自分(自己愛性パーソナリティ障害側)がやったことがいかに酷いことかをわからせようとしたい、等と思うことがあると思います。
むしろこういった気持ちの強さが離れられない原因になっているということもあると思います。
気持ちはわかりますが、通じないのでやめた方が良いです。
一つ言えることは、今現在が一番被害が最小だ、ということです。
信じられないかもしれませんが、今現在が一番傷が浅い状態です。
関われば関わるほど被害が拡大します。
ですから、自己愛性パーソナリティ障害側から「別れたい、離婚したい」と言われている方は、それは離れられるビッグチャンスだと思ってください。
もし自己愛性パーソナリティ障害側に浮気(不倫)相手がいるなら、その人にあてがってください。
ぜひ押し付けて引き取ってもらってください。
共依存側は「捨てられた」のではなく、「捨てた」と思ってください(実際そうですからね)。
変に、復讐や無駄で通じることのない話し合いをしようとして怒りを買って執着される前に離れてください。
どうしても気持ちの整理がつかない場合はご連絡ください。
また、両者共に自他の区別がつきにくい(相手は自分であるという感覚が強い)ため、両者共にストーカー化する可能性が高い関係です。
別れ方にも注意が必要です。
以上まとめると、本当に本当の末路は、
共依存側の人も自己愛性パーソナリティ障害の人も両者共に孤立する、
ということになります。
事実の書き換えに惑わされないように
離婚か修復かいずれにしても日記のようなものをつけておくことが大事です。
ボイスレコーダー等で会話を録音しておくことも大事です。
なぜなら、自己愛性パーソナリティ障害の人は平気で事実を書き換えるからです。
一度認めたことも時間を経て(あなたが忘れた頃を見計らって)書き換えをしてきます。
例えばこんな例があります。
・不倫をした→「ただ相談にのってもらっていただけだったんだ(あるいは、相談にのっていただけだったんだ)」
・不倫をした→「おまえが心配しないように(不倫相手のことを)あなたに話さないようにしていたんだ」
・あなたのことを無視した→「おまえが無視したからおれも無視することにしたんだよ!(あなたは無視していないのに)」
・あなたの呼びかけに応じない→「おまえが話し合いに応じないから話が進まないんだよ!」 →完全に責任転嫁ですね。
・あなたが不倫を問い詰めた→「あんな(中途半端な、抽象的な)言い方じゃわからない(から不倫を続けた)!」 これは不倫に対する正当化も暗にほのめかしていますね。 理解力のない自分を演じることで、不倫について問いつめられていたことに気がついていなかった、ということにしています。
等々あなたへ責任転嫁してきます。
(補足:そもそも「おまえ」という言葉を使う人は気を付けた方が良いです。それと、男性が自己愛性パーソナリティ障害という設定で例を書きましたが、もちろん男女逆のこともあります)
このように、自己愛性パーソナリティ障害の人は口が上手い人が多く、自分でもそれをわかっているせいか、なるべく会って話そうとしてきます。
1対1になって会って話そうとしてくるのです。
1対1になって会って話せばどうにかなる、自分のペースにもっていける、と思っています。
メールより電話、電話より対面を好むのです。
「大事な話は会ってするべき」という共依存やアダルトチルドレンの真面目さも利用して洗脳してきます。
その真面目さは決して悪いことではありませんが、対自己愛性パーソナリティ障害の人に関しては、少し考えた方が良いです。
とは言っても、どうしても1対1の対面で話さざるを得ない場合は、以下記載の通り、ボイスレコーダー等で録音することをオススメします。
記録のススメ、記録はお守り | |
以上のように時間軸の逆転や因果の逆転をして書き換えてきます。 |
以上いろいろと書きましたが、基本的には自己愛性パーソナリティ障害の人とは話ができないと思ってください。
理由は、自己愛性パーソナリティ障害の人は、客観的な事実はどうでも良いと思っているからです。
結論ありきでストーリーを考える、と言い換えても良いです。
結論というのは、「自分が被害者で相手が加害者という構図」のことです。
例えばどういうことかというと、
もしこれから不倫をしようと思うなら、あるいは、既に不倫をしてしまった後に、「自分は○○されたから不倫をしても仕方がない」というストーリーを作るのです(不倫を例にしていますが、不倫に限らずDVやモラハラについても同じです)。
「○○されたから」という客観的な事実はなくても良く、つまりでっちあげで良く、とにかく自己愛性パーソナリティ障害の人の中で辻褄が合っていれば良いと思っているのです。
通常は、客観的な事実に基づいて話し合いが行われますが、それを完全に無視して堂々とでっちあげたストーリーを押し通してくるのです。 こんな人と話し合いができるはずがありませんよね。
ですから、「○○されたから」と言われて、被害者の人はそれを真に受けないようにしないといけません。
そもそも不倫やDV等はどんな理由があってもして良い理由にはなりませんからね。
もちろん「自分が被害者で相手が加害者という構図」を、以上のようにでっちあげる人もいれば、歪みによって本当にそう見えるために本気で思っている、という人もいます。
いずれにしましても、話ができないということには変わりありません。
自己愛性パーソナリティ障害チェックリスト
チェックリストを作って欲しいとの要望が多かったので作成しました。
理想の自分には程遠いという現実を認められないが故の結果が以下のものとなっていると思います。
【重要:自己判断せず、専門家にご相談ください】
このチェックリストは、パートナーの言動や行動について、自己愛性パーソナリティ障害の可能性を検討するため、そしてご自身の感じ方や反応を振り返り、関係性について理解を深めるための目安としてご利用ください。いずれの場合においても、このチェックリストの結果のみでご自身や第三者がパートナーを断定したりせず、最終的な診断や治療は精神科医などの医療専門家にご相談ください。心理的なご相談や関係性の見直しについては、私大村のような専門家にご相談いただけます。
☑1.自己肯定感が低いがプライドは高い
☑2.自分の思い通りに動いてくれる利用できる人(イエスマン)を好む
☑3.自分の意に沿わない相手の意見はすべて非難・拒絶する
☑4.日常的に嘘をつく
☑5.自分の嘘を本当だと思い込む
☑6.上手くいかないことがあると人のせいにする (自分のミスは相手のミスにし、相手のミスは相手の自尊心を下げて支配するために利用する)
☑7.自分が絶対に正しいと思っている
☑8.浮気(不倫)、DV・モラハラ、借金等を正当化する
☑9.絶対に謝らない、謝ったら自分を否定することあるいは負けだと思っている
☑10.思い通りに動かない相手に暴力をふるう、侮辱、罵倒あるいは無視する
☑11.白か黒か、全か無か、0か100かの二者択一的な思考である
☑12.人を敵か味方かで判断する
☑13.何事も勝負事として考える
☑14.自分が勝つ(相手が屈服する)まで復讐する
☑15.自分の攻撃による相手の防衛を攻撃と見なす
☑16.相手からの被害をずっと覚えている
☑17.相手からの被害を周囲に吹聴し、被害者アピールをする
☑18.被害者だと思い込む
☑19.話をすり替える(時間軸や因果を書き換える)
☑20.人の話を都合の良いように解釈する
☑21.都合の悪いことは忘れるあるいは忘れたフリをする
☑22.相手の意見を「否定された」「侮辱された」と解釈する
☑23.過去の栄光にすがる 同じ自慢話を何度もする
☑24.できないことはやらない
☑25.理解できないことは否定する
☑26.見栄っ張りである(収入に見合わない高級品を購入する)
☑27.周囲の人が一目で「あなたのことだよ」とわかるようなことを相手に言う (「人のせいにするな」「嘘をつくな」「話をすり替えるな」等)
☑28.外面は良い
☑29.病院やカウンセリングに行こうとしない
☑30.病院やカウンセリングで嘘をつく
補足情報:MSDマニュアル家庭版「自己愛性パーソナリティ障害」もご参照ください
チェックリストからは除きましたが、
自己愛性パーソナリティ障害の人は、パートナーに対して酷い暴言を吐いたりしてまともに話せないような気まずい関係になっても、翌日にはリセットされ何もなかったかのように接してくる(アスペルガー症候群にも同様の傾向があります)ことがあります。
何もなかったように接してきたり、普通にデートに誘ってきたりして、気まずさというものがないのです。
記憶障害という説もあります。
また、自己愛性パーソナリティ障害の人がプレゼントをあげることもありますが、大抵の場合、相手が欲しいものではなく自分があげたいものをあげる傾向にあります。
そして相手が思うような反応を示さなかった時に怒ります。
「こんなにしてやったのに」が口癖です。
結局自分しか見ておらず、相手を見ていないということです。
「○○をプレゼントしている自分はなんて素敵なんだ!」という面(自分の気持ち )しか見えていないのです。
また、「自分はいろんなことを一方的にしてもらえる立場」だと勝手に思い込んでいます。
自分がそんな恩恵を受ける立場ではないことにどうしても気が付けません。
必然的に周囲に不満ばかりが募ります。
健全な人であれば当たり前に感謝するようなことを結構頻繁にされているのですが、「自分はもっと特別にしてもらえる立場」だと思い込んでいるので、いずれにしても不満になります。
公平に扱われているのにもかかわらず不公平に扱われていると勘違いしてしまいます。
つまり自分のこと(社会的な立ち位置)を全くわかっていないのです。
これは周りのことに目が向いていないという証拠です。
こういった思考ですのでどこに行っても不満になり、「なぜ自分ばっかりこんな目にあうのか」という被害者意識を強めるのです。
「自分が絶対に正しい」という思考がある限り変わることはないです。
なぜ自己愛性パーソナリティ障害の人に惹かれてしまうのか
自己愛性パーソナリティ障害の人には、
「自分は特別であり、自分を理解することができる人だけが、自分に近づく権利がある」
という思考の特徴があります。
本当は、現実が理想に及ばずにそのギャップに苦しむが故に生まれる特徴で、自分を守るため、自分や他者からの視線を誤魔化すため、の特徴でもあります。
自尊心や自己肯定感は努力をして理想に近付いていくことで高まるものですが、自分を誇大化することでなんとか表面だけ保っている、というイメージです。
努力せずに今の自分のまま、自分に対するイメージだけをただひたすらに誇大化しているだけなので、当然自尊心や自己肯定感は高まりません。
そのため、意外と(本当は意外ではない)脆く、他者からの助言や苦言を聞き入れることに抵抗を示します。
侮辱されると攻撃的になるのは自己防衛のためです。 長期的なプラスではなくとにかく目先のプラスを優先します。
そういった特徴が、共依存やアダルトチルドレンの特徴を持っている人(共依存側)にとっては魅力に映ってしまうことがあります。
なぜなら、共依存側の人もまた、自尊心や自己肯定感が低いからです。
このような自信に満ちた人が自分のものになれば、自分の脆い自尊心や低い自己肯定感を埋め合わせることができる、と思い、惹かれ、近付いてしまうのです。
自分で自分を満たせないため、自信に満ちた人と一心同体になることで自分を満たそうとするのです。
※「自信に満ちた人」と書きましたが、本当は偽りの自信です。ですが、両者(自己愛性パーソナリティ障害の人、共依存側)共に、偽りであるとは気が付きません。
両者の共通点 | |
自己愛性パーソナリティ障害の人とそれに惹かれる人には共通点があります。 |
健全な人は、自己愛性パーソナリティ障害の人のような利他性を持ち合わせていない人からは離れます。
しかし、共依存やアダルトチルドレンの特徴を持っている方にとってはまたしてもそれが魅力に映ることがあり、
さらに他の人が離れていき孤立しているのを見て、
「自分だけがわかってあげられる」「かわいそう」
と思ってしまいます。
なぜ周囲の人が離れているのかが分からないのです。
実際、友人がほとんどいなかったり(特に同性の友人が少ない)、結婚離婚を繰り返したり、仕事が続かずに転職を繰り返す、という方が多いです。
自己愛性パーソナリティ障害の方は組織に属することが難しく、自営の方も多いですが、それも上手くいかないことが多いです。
そして、「(友人が自分を)裏切った」「(前の妻あるいは夫が)酷い人だった」「(職場の上司や同僚に)自分だけ雑に扱われた」「(自営は)〇〇のせいで上手くいかなかった」等といった話(自分は被害者だという話)を何度も聞かされることになると思います。
しかし、共依存やアダルトチルドレンの特徴をもった方は、自己愛性パーソナリティ障害の人の発言を真に受け、「なぜそんな辛いことが繰り返されるのか、かわいそう」とは思っても、「もしかしてこの人にも問題があるのではないか」と思うことはありません。
これが危険なのです。
そのような危険性を考慮せず、表面的にしか見ることができていないと、
「こんな特別な人だけが近づくことができる人に認められている自分ってすごいのかも」
と勘違いしてしまうこともあります。
共依存を超えて、自己愛性パーソナリティ障害の特徴がうつることもあります。
「侵食される」と言っても良いかもしれません。
ここまでくることはまれではありますが、気を付けてください。
なぜ周囲の人は離れていくのか、客観的な目で見てもらいたいと思います。
離れていかれるだけの理由がきっとあります。
なかなか納得できるものではないと思いますが、共依存やアダルトチルドレンの特徴を持った方は、機能不全家族で育ったことで、不安定な人に魅力を感じてしまうようです。
安定した人よりも不安定な人の方が無意識の部分で安心しているのです。
育った環境、日常が不安定だったため、不安定なことに慣れ親しんでいるのです。
自己愛性パーソナリティ障害のような人に魅力を感じるという方は、安定した人を「平凡でつまらない退屈な人」と判断する傾向にないでしょうか?
少し思い返してみてください。
「死にたい」と言われたら離れましょう
自己愛性パーソナリティ障害の人と良好な人間関係を形成するのは難しいです。
自分が中心でないと気が済まない上、常に「誰も自分のこと(自分の偉大さ)をわかってくれない」という恨みにも似た不満を持ち、周囲を混乱させます。
自分のことを客観視できないため、あきらかに周りを振り回しているにもかかわらず、本気で自分が被害者だと思っています。
パートナーに対して求めるものに際限がなくなり、パートナーは手に負えなくなり、やがて満たされなくなり、浮気(不倫)等が多くなります。
そんな風に周囲を混乱させてしまったり、また、浮気(不倫)がバレたりというようなことがあると、「死にたい」と自殺をほのめかす言葉を口にすることがあるでしょう。
自己愛性パーソナリティ障害の人の「死にたい」は、「自分がいなくなれば、周りの人は後悔するだろう」というような、他者への影響を強調する表現が多いです。
自分の苦しみを理解させて特別な扱いを求める手段として発言することが多いです。
「死にたい」という発言は最大の脅しですが、彼らの言う「死にたい」は単なる脅し以上のものがあります。
自己中心的な発言の象徴です。
これを言われたらどうすることもできませんよね?
無視して放って本当に死んでしまったら…一生罪悪感に苛まれることになりますからね。
見た目とは裏腹に、計算した言動であることが多いです。
さらに付け加えると、自己愛性パーソナリティ障害の人は、生きている価値はないとは思っていても、反省はしていません。
結論としては、離れることが賢明です。
<関連ページ>境界性パーソナリティ障害の人も「死にたい」と言うことがありますが、自己愛性パーソナリティ障害とは意味合いが異なります。
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【重要】最後に念のため、非常に重要な点をお伝えしておきますが、浮気(不倫)などがなく、あなたを振り回していない上での「死にたい」という発言であれば(うつ病等が原因)、それは脅しではなく、本当に助けを求めているサインかもしれません。このような場合は、決して放置せず、しっかりと話を聞き、専門機関への相談を促すなど、できる限りのサポートをしてあげてください。このページで「離れた方が良い」と言っているのは、あくまでも、自身が浮気(不倫)等良からぬことをしたにもかかわらず、自己防衛的でかつあなたに罪悪感を持たせて縛り付けるために「死にたい」と言う場合についてです。この点に十分ご注意ください。自己判断が難しいと感じた場合は、ためらわずに信頼できる第三者や専門家にご相談ください。
この記事を書いた人 | |
共依存・夫婦問題カウンセラー大村祐輔 9年間で約800人、60分×約13,000回のカウンセリング実績から得た知識や経験を還元できるよう日々尽力しています。 大村の理念は「夫婦問題を解決して終わりじゃない」「離婚して終わりじゃない」「根本からの自己改革」です。 共依存で悩むあなたに「とことん付き合う」の精神で活動しています。 日本学術会議協力学術研究団体 メンタルケア学術学会認定 メンタルケア心理士 資格番号E1607030023 一般社団法人 ハッピーライフカウンセリング協会認定 離婚カウンセラー 会員番号200017 →詳しいプロフィールはこちら |