遠慮は禁物!夫婦のセックスレス、本音で語り合うためのヒント
【この記事を読んでわかること】
・セックスレスが夫婦関係に与える深い影響と対処法
・「断り方」がもたらす誤解と関係悪化を防ぐ3つのポイント
・男女間のコミュニケーションギャップとすれ違いの実態
・共依存夫婦におけるセックスの歪んだ意味と問題点
・セックス依存の背景にある心理的要因と向き合い方
・夫婦で恥じずに語り合うことの大切さと具体的なコミュニケーション術
「セックスレスなんて、大げさに考えることじゃない」「そのうち自然と解決するはず」—そんな思い込みが、あなたの大切な夫婦関係を静かに蝕んでいるかもしれません。
実は、離婚原因としてよく挙げられる「価値観の不一致」の奥には、「性の不一致」が隠されていることが少なくありません。
なぜなら、セックスは単なる肉体的な行為ではなく、夫婦の絆を深める重要なコミュニケーション手段だからです。
本記事では、共依存・夫婦問題カウンセラーとして数多くの夫婦の悩みに向き合ってきた筆者が、セックスレスの本当の原因と、それを乗り越えるための具体的な方法を解説します。
お互いの気持ちをないがしろにせず、恥ずかしがらずに本音で語り合うことで、より深い絆で結ばれた関係を取り戻しましょう。
目次
セックスは夫婦にとってなぜ重要?~「性の不一致」が示す深い意味~
離婚の原因としてよく挙げられる「価値観の不一致」ですが、その曖昧な言葉の奥には、実は「性の不一致」が隠されていることが少なくありません。
夫婦にとって、セックスは単なる行為以上の意味を持つ、非常に重要な要素です。
人によってセックスに対する重要度は異なりますが、その重要度に大きな差が生まれるテーマの一つです。
決して目をそむけてはいけないテーマです。
<関連ページ>人によって求める愛情表現は違う?
セックスの断り方、3つの注意点
夫婦間において「性の決定権」はそれぞれにあります。
断ること自体は問題ありませんが、その「断り方」には最新の注意が必要です。
「今日は疲れているから…」
「昨日したから今日は…」
「生理中だから…」
といった曖昧な言い方から、
「そんなにしたいの?それしか考えられないの?」
「性欲強すぎ。気持ち悪!」
といった人格否定的な言い方まで様々あります。
また、求められた手を払いのけるような態度も、相手を深く傷つけ、二人の関係に溝を生む可能性があります。
そのような態度や人格否定的な言い方は論外ですので、特にここでは記載せず、曖昧な言い方についてだけ記載いたします。
断られた側は、言葉通り受け止めるとは限りません。
「他に相手がいるのでは?」「もう愛されていないのかも…」といった疑念や不安を抱き、それがセックスレスへと繋がることもあります。
だからこそ、断る際には以下の3つのポイントを意識しましょう。
①次があることを伝える:「今日は疲れているから、また明日にしようね」のように、具体的な代替案を示し、拒否ではないことを明確に伝えましょう。
②その約束は必ず果たす:口約束で終わらせず、後日必ずその機会を設けることで、相手への誠意と愛情を示しましょう。
→逆に、これで約束を果たさないと、約束をせずにしなかった場合よりも不信感をもたれる可能性がありますので注意しましょう
③愛していることを伝える:あくまでも例ですが、「愛しているよ」「大切に思っているよ」といった言葉や、愛情表現を添えることで、相手の不安を和らげることができます(言葉以外にも、優しく抱きしめるなどの行動も効果的です)。
余談ですが、これらは、忙しくて子どもの話を聞いてあげられない時などにも応用できます。「後で聞くね」と伝え、必ず実行することで、子どもに安心感を与え、親子間の信頼感を構築することができます。 |
セックスにおける「断る」という行為には、男女間で感じ方の違いが顕著に表れます。
お互いの違いを理解することが、より円滑なコミュニケーションには不可欠です。
単なるすれ違い?夫婦間の誤解を生むコミュニケーションの落とし穴
男性は一点集中型(シングルタスク型)の傾向があるため、仕事やお金、人間関係などで悩みやストレスを抱えていると、セックスに集中できなくなることがあります。
例えば、「今日は疲れているから…」という言葉も、誠実な男性の場合、「心身ともにエネルギーが残っておらず、中途半端なかたちで妻を満足させられないかもしれない」という思いから発せられている可能性があります。
しかし、妻側がそれを「私のことが嫌いになった」「私に魅力がないからだ」とネガティブに捉え、冷たい態度をとってしまうことで、夫婦関係が悪化し、セックスレスに繋がることがあります。
お互いに愛情がないわけではないのに、このようなすれ違いが起こってしまうのは非常にもったいないことです。
この例からもわかるように、問題の根源は「性の不一致」や「価値観の不一致」ではなく、単なるコミュニケーション不足であることが多いのです。
お互いの気持ちを具体的に表現しないこと、
相手の真意を確かめようとしないこと、
自己肯定感の低さからネガティブな解釈をしてしまうこと、
「察して欲しい」という一方的な期待、
などが、すれ違いを生む原因となります。
適切なコミュニケーションを心がけることが、夫婦関係を円満に保つための重要なカギとなります。
共依存夫婦におけるセックス:歪んだ関係性と愛情表現
共依存の関係にある夫婦間では、セックスが健全な愛情表現とは異なる意味合いをもつことがあります。
共依存とは、互いに相手をコントロールしようとする関係性であり、自己肯定感の低さや満たされない感情を相手に満たしてもらう、という傾向があります。
このような夫婦間では、セックスが以下のような役割を果たしてしまうことがあります。
・愛情や承認欲求の代替手段:言葉や態度での愛情表現が不足している場合、セックスが唯一の繋がりや愛情確認手段となることがあります。「求められることで自分の価値を感じる」という歪んだ認識に陥りやすいです。
・相手の支配・コントロール:一方がセックスを拒否することで相手を不安にさせたり、逆にセックスを強要することで優位性を保とうとしたりする場合があります。
・問題からの逃避:関係性の問題や個人の抱えるストレスから一時的に逃避する手段として、セックスが用いられることがあります。
このように、共依存的な関係におけるセックスは、一時的な安心感や満足感を得られるかもしれませんが、根本的な問題解決には繋がらず、むしろ関係性を悪化させる可能性があるのです。
共依存夫婦のセックスでよくある問題点
共依存的な関係におけるセックスでは、以下のような問題点が起こりやすくなります。
・義務的なセックス:本当は乗り気ではないのに、相手に嫌われたくない、関係を壊したくないという気持ちから、義務的にセックスに応じてしまう。
・感情的な繋がりがないセックス:肉体的な行為はあっても、お互いの感情やニーズを尊重し合った、心からの繋がりを感じられない。
・拒否することへの罪悪感や恐怖:セックスを断ると、相手が怒ったり、見捨てられたりするのではないかという不安から、自分の意思を伝えられない。
・セックスの強要や拒否によるハラスメント:一方が自分の欲求を一方的に押し付けたり、理由もなく拒否し続けたりすることで、相手を傷つける。
・避妊をめぐる問題:相手に嫌われたくないという気持ちから、避妊の意思を伝えられず、予期せぬ妊娠に繋がるリスクがある。
これらの問題は、夫婦間の信頼関係を損ない、精神的な苦痛を生み出す原因となります。
セックスにおける注意点:自分を大切にするために
セックスにおいて、最も重要なことの一つは、「自分を大切にする」ということです。
特に共依存的な傾向のある方は、相手の気持ちを優先し過ぎて自分の気持ちをないがしろにしてしまうことがあります。
避妊の問題はその典型です。
「相手が避妊しようとしないなら仕方ないか…」と我慢したり、「相手が避妊しない方が良いと思っているならそれに合わせた方が良いか…」とスルーしたりしてしまうことは、自分の身体と将来を守るという点で非常に危険な行為です。
「避妊してほしい」と伝えることは、当然の権利であり、決してわがままな気持ちではありません。
もし、それを伝えることに罪悪感や申し訳なさを感じてしまうのであれば、共依存的な傾向があるかもしれません。
自分の気持ちを伝えられない関係性は、性暴力や被害者意識を助長し、他の暴力(精神的DV、経済的DVなど)にも繋がりかねません。
自分を大切にするために、そして相手にも大切にしてもらうために、伝えなければならないことはしっかりと伝えましょう。
もし、あなたの気持ちに応じないパートナーであれば、今後の関係性について真剣に考える必要があります。
セックスは、その人の人間性が如実に表れるものです。
少しでも違和感を覚えたら、決して見過ごしてはいけません。
もしかしてセックス依存?その背景にある心理と向き合う
パートナーからの性的な要求が過度で、対応に困ってしまう場合、相手がセックス依存に陥っている可能性も考えられます。
セックス依存の背景には、単に性欲が強いというだけでなく、自己肯定感の低さや、機能不全家族で育ち、愛情に飢えているといった心理的な要因が深く関わっていることが多いです。
自分の身体を求められることで、一時的に自分の存在意義を感じる(共依存的な強い承認欲求)のは、健全な状態とは言えません。
セックスだけが心の穴を満たす唯一の手段となってしまうのは、依存状態であり、麻薬のようなものです。
セックス以外の方法で、心の穴を満たしたり、ストレスを解消したりする方法を見つけていくことが重要です。
<関連ページ>「セックスで心の穴を満たす」がエスカレートすると…
夫婦で話し合おう:セックスを通じたより良い関係性の構築
セックスは、愛情を交換し、お互いの欲求を伝え合うための大切なコミュニケーションの手段です。
信頼関係があってこそ、お互いの欲求を安心して伝え合うことができます。
もし、パートナーから何か要望を伝えられた際には、「それはできない」と頭ごなしに否定するのではなく、「○○はできるけど、△△は難しいかな」といったように、相手の気持ちに配慮した言い方を心がけましょう。
信頼しているとはいえ、勇気をもって伝えているはずですから、それを一蹴するような態度は、相手の人格を否定しているようなものですからね。
病気や体調不良も考慮して:思いやりを忘れずに
男性も女性も、それぞれ病気になる可能性があります。
男性であれば精巣や前立腺の病気、女性であれば卵巣や子宮の病気です。
病気になってしまった本人は、心身ともに大きな負担を抱えます。
パートナーがそのような状況にある場合は、責めるのではなく、温かく思いやりをもって接してあげてください。
あなたは大丈夫かと思いますが、パートナーが病気や体調不良になってしまい、たとえ難しくなったとしても、間違っても、セックスを強要したり、不倫をしたりしないようにしてくださいね。
私も過去に、慢性前立腺炎という病気になり、セックスにおいて影響がありました。 直接ではありませんが、間接的に離婚に至ったひとつの要因になったと思います。 目に見えない病気は、本人とパートナー間で、辛さの認識に違いが生じやすいので注意です。 |
セックスの話題は恥ずかしいものではありません
愛情の確認や愛情を育む方法はセックスだけではありませんが、セックスが夫婦問題や離婚率に大きな影響を与えていることは事実です。
ぜひセックスについてタブー視せず、夫婦で適切なコミュニケーションをとり、お互いの気持ちや欲求を理解し合う努力を続けてください。
繊細な問題ですが、決して恥ずかしい話題ではありませんので、「こんな話で申し訳ないのですが…」といった前置きはせず、堂々と話してくださって結構です。
セックスについて、私個人的には「それってどうなの?」と思うような情報が世の中に溢れすぎていると思っています。
私がどんな風にセックスについて考えているのかということや、1人の男性の意見としてお話できることもありますので、遠慮なく質問いただければと思います。
この記事を書いた人 | |
共依存・夫婦問題カウンセラー大村祐輔 9年間で約800人、60分×約13,000回のカウンセリング実績から得た知識や経験を還元できるよう日々尽力しています。 大村の理念は「夫婦問題を解決して終わりじゃない」「離婚して終わりじゃない」「根本からの自己改革」です。 共依存で悩むあなたに「とことん付き合う」の精神で活動しています。 日本学術会議協力学術研究団体 メンタルケア学術学会認定 メンタルケア心理士 資格番号E1607030023 一般社団法人 ハッピーライフカウンセリング協会認定 離婚カウンセラー 会員番号200017 →詳しいプロフィールはこちら |