夫婦に上下関係はNG:健全な関係性を築くには | 共依存克服・夫婦問題カウンセラー大村祐輔

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夫婦に上下関係はNG:健全な関係性を築くには

共依存・夫婦問題カウンセラー大村祐輔です。

 

夫婦関係に潜む上下関係の危険性

夫婦関係において最も避けるべきことの一つが「上下関係」の形成です。
対等であるべき夫婦の間に上下関係が生まれると、コミュニケーションが歪み、互いの成長が妨げられ、最終的には大きな亀裂につながります。

 

多くの夫婦問題の根底には、この見えない上下関係があります。
片方が常に我慢し、もう片方が気づかずに主導権を握る関係性は、表面上は円満に見えても内側では大きな歪みを抱えています。

 

夫婦関係における上下関係は、時に明確な形で現れることもありますが、多くの場合は日常の些細な行動や言葉遣いの中に隠れています。

 

その気づきにくいパターンを理解することが、対等で健全な関係を築く第一歩となります。

小さな喧嘩の重要性

「うちは喧嘩をしない円満な夫婦です」と胸を張る方もいますが、それは本当に健全なのでしょうか?
本当に問題のない夫婦もいますが、そうでないことが多いです。

 

どんな夫婦も異なる環境で育ってきた別々の人間です。
思考パターンや行動パターンが違うのは当然であり、衝突が全くないというのはむしろ不自然です。

 

多くの場合、衝突がないように見える夫婦は、どちらか一方が常に我慢している可能性が高いです。

 

この我慢は無意識のうちに「恨み」へと変わります。
その場をやり過ごす「その場しのぎ」の我慢は、数か月後、あるいは数年後に、より大きな問題となって表面化します。

 

ある日、我慢していた側がふと小さな主張をした時、相手は「急に変わった」と感じますが、それは実際には長い間蓄積されてきた不満の表出です。

 

小さな衝突を避け続けると、大きな問題に直面した時のための解決能力も育ちません。
適度な意見の違いと、それを乗り越える経験は、夫婦関係を強化するために必要なのです。

 

喧嘩や衝突という強い言葉を使っていますが、これはわかりやすいように表現しているだけです。


いきなり攻撃的になりましょうと言っているわけではありません。

 

自分の気持ちを伝える時には、感情的にならずに冷静に伝えてくださいね。

 

言い慣れていない人は特に気をつけましょう。

 

夫婦間に無償の愛はない:過剰な期待をしないこと

理想論ではなく現実的に考えると、親子間にあるような無償の愛は夫婦間には存在しにくいものです。
「夫婦にも無償の愛がある」と信じたい気持ちはわかりますが、「無償の愛はない」と認識した方が、過剰な期待による失望や恨みを防げます。

 

「恨み」は我慢することだけでなく、期待を裏切られた時にも生まれます。
期待するから「恨み」が生まれるのです。

 

夫婦間では「あなたは私に○○して当たり前」なんてことはありませんから、そのような期待はやめましょう。

 

無償の愛を期待され、受け入れた側は、自らを「器の大きい人」と位置づけ、一見美徳のように思えますが、実は夫婦間に上下関係を作り出す原因を作っています。

 

そのように受け入れた側が自ら自分を下の立場に置くと、やがて相手はその状態を「当たり前」と思うようになります。
相手にとっては、受け入れた側の当たり前に受け入れる姿を真の姿だと思ってしまうのです。

 

この状態が続くと、受け入れた側は本来の自分を表現できなくなり、偽りの自分を演じ続ける苦しさを抱えることになるのです。
普段から本当の自分で生きていないと、偽りの自分を愛された場合に偽りの自分を演じ続けなければいけなくなります。

 

なぜ当たり前に受け入れてしまうのか、なぜ偽りの器の大きい自分を演じてしまうのか、理由を明らかにすることが重要です。

上下関係を生み出す12のパターン

夫婦関係の中で無意識に形成される上下関係には、以下のような典型的なパターンがあります。
これらに思い当たる点があれば、あなたの関係にも上下構造が潜んでいる可能性があります。

 

1. 過剰な謝罪と自己卑下

「ごめんなさい」の多用や自分の価値を下げる言動は、自分を低い位置に置き、相手を上の立場に押し上げる心理的な階層を作ります。
本来感謝で済む場面でさえ謝罪してしまうことで、日常会話の中に無意識の上下構造が浸透していきます。
この習慣が定着すると、パートナーの中に「指摘する側」という優位性が芽生え、モラハラ気質を育ててしまう土壌となります。

2. 決断権の放棄

「あなたの好きなようにして」と日常の選択を常に相手に委ね、自分の希望や意見を表明しない習慣は、時間をかけて「決める人」と「従う人」という固定的な役割を形成します。
この行動パターンが続くと、自分の意思決定能力に対する自信が徐々に失われ、より一層相手に依存する悪循環が生まれます。
やがて大きな決断だけでなく、些細な事柄においても自分で判断できなくなり、関係の不均衡がさらに強化されていきます。

3. 相手の意見・好みへの過剰適応

自分の好みや価値観を抑圧して常に相手に合わせることは、表面的な調和を生む一方で「主導する側」と「従う側」という潜在的な不均衡を構築します。
食べたいものや行きたいところの選択等の日常のことから、旅行等の非日常のことまで、自分の希望を表明せず相手に合わせ続けることで、次第に自分の存在感や個性が関係の中で薄れていきます。
長期的には自分自身の好みや希望さえ分からなくなる自己喪失につながり、人格の対等性が失われる深刻な状態を招くことがあります。

4. 承認と確認の習慣化

「これでいい?」「大丈夫?」と常に相手の承認を求める行動は、自分の判断に自信を持てない心理を表し、相手を「審査官」「判断者」の立場に置く関係性を作り出します。
小さな決断から重要な選択まで、常に相手の承認がなければ安心できない状態は、自分を「判断される側」として固定化し、心理的な依存を深めます。
この習慣が定着すると、相手の意見や反応に過敏になり、自分の内的な価値基準が弱まることで、さらに承認を求める行動が強化されるという悪循環が生じます。

5. コミュニケーションの一方通行

常に聞き役に回る、または逆に自分ばかり話す関係は、対話のバランスを根本から崩し、「話す側」と「聞く側」という固定的な役割分担を生み出します。
一方が常に自分の考えや体験を表現し、もう一方がただ受け止めるだけの関係では、相互理解や共感の深まりが妨げられ、心理的な距離が広がります。
この不均衡が続くと、聞き役の人は自分の意見を持つことへの自信を失い、話し手は相手の視点を考慮しない自己中心的なコミュニケーションパターンが強化されていきます。

6. 「迷惑をかけたくない」という過度な配慮

困っていても助けを求めず、逆に相手の頼みは全て引き受けるパターンは、「与える側」と「受け取る側」の不均衡を生み、健全な相互依存関係の構築を妨げます。
「迷惑をかけたくない」という思いから自分のニーズを抑圧し続けると、関係の中で自分の存在価値を「役に立つこと」だけに限定してしまう危険性があります。
長期的には内面に不満や怒りが蓄積し、突然の感情爆発や関係の崩壊を招くことがあり、真の意味での対等な関係構築を阻害します。

7. 役割の固定化

家事分担や生活上の役割を完全に固定し交換しないことは、特定領域における「専門家」と「素人」という二項対立を生み、相互理解と成長の機会を奪います。
「料理はあなた、掃除は私」という明確な線引きは効率的に見えますが、その領域に関する知識や経験の差を強調し、次第に「教える側」と「教わる側」という上下関係を形成します。
この固定化が続くと、一方が不在の際に基本的な生活機能が麻痺したり、相手の苦労を理解できない無理解が生まれ、相互尊重の基盤が弱まっていきます。

8. 経済面での依存と管理の不均衡

小さな出費でも報告・許可を求める習慣や、共有財産を一方が独占的に管理することは、「許可する側」と「許可される側」という明確な支配関係の土台を作ります。
経済的自由の不均衡は日常の些細な決断から将来の人生設計まで、あらゆる面で一方に大きな権限を与え、もう一方の自立性と主体性を徐々に侵食していきます。
この状態が続くと、経済的弱者の側は自己価値を見失い、有害な関係からの脱出が困難になる「経済的虐待」の要素を含む危険な関係に発展する可能性があります。

9. 感情管理の偏り

相手の感情に過剰に責任を感じ、常に機嫌を取る行動は、相手の感情状態が関係の中心となる不健全な力学を生み、自分の感情を二の次にする歪んだ優先順位を確立します。
「怒らせてしまったかも」という恐れから相手の気分を常に読み取ろうとする習慣は、相手の感情の起伏に自分の価値や安全が左右される不安定な関係性を作り出します。
この関係パターンは次第に「機嫌を取る側」と「機嫌を決める側」という明確な上下構造を形成し、感情的な操作や支配が正当化される危険な土壌を育てます。

10. 冗談や批評の一方向性

一方が常に冗談のターゲットになったり、批判を受ける関係は、「評価する側」と「評価される側」という上下関係を日常会話の中に根付かせ、心理的な支配構造を強化します。
一見無害に見える冗談や軽い皮肉であっても、それが常に特定の方向に向けられる場合、時間の経過とともに相手の自尊心を損ない、心理的な優位性と劣位性を確立します。
この不均衡が続くと、ターゲットにされる側は自己防衛のために萎縮し、自分の意見や感情を表明することへの恐れを発達させ、関係の中での発言力と存在感が徐々に失われていきます。

11. 相手の時間の軽視または過度の尊重

一方の時間だけを優先し、もう一方が常に待たされるような不均衡は、「待つ側」と「待たせる側」という力関係を示し、時間という貴重なリソースの価値の違いを示唆します。
この不均衡は「私の時間より相手の時間が大切」または「相手の時間より私の時間が大切」という無言のメッセージを伝え、関係における各人の価値の差を日常的に強化します。
長期的には、常に自分の予定を調整する側と、相手の都合を考慮しない側という非対称な関係が固定化し、尊重と配慮のバランスが崩れた一方的な関係へと発展していきます。

12. 褒め言葉や感謝の拒否

「そんなことないよ」「大したことじゃない」と相手からの感謝や褒め言葉を常に否定することは、一見謙虚に見える一方で、実は深層で自分の価値を下げ、関係の健全な相互認証を妨げます。
褒め言葉を素直に受け取れないことで、「褒める側」と「褒められても認めない側」という微妙な力関係が生まれ、感謝や称賛を通じた関係の強化が阻害されます。
この習慣が続くと、相手は褒めることや感謝を表現することを諦め、互いの長所や貢献を認め合うという健全な関係の基盤が弱まり、心理的な距離が広がっていきます。

 

<関連ページ> モラハラホイホイとモラハラメーカー

「ごめんなさい」から「ありがとう」へ:上下関係の解消法

上記の12パターンの中でも、特に注意すべきなのが1の過剰な謝罪と自己卑下の習慣です。
これは最も日常的で、気づきにくい上下関係の原因となります。

 

パートナーへの恐れ、自分を責める癖、自己肯定感の低さ、見捨てられ不安、否定的な家庭環境での生育歴など、謝罪癖の背景には様々な要因があります。
しかし謝るべき場面でない時に「ごめんなさい」を多用すると、自ら下の立場を選択することになります

 

「とりあえず謝っておけば否定されなくて済む」「先に謝っておけば大丈夫」という心理から発する謝罪は、一時的な安全を得る代わりに、長期的な関係の不均衡を生みます。

 

最も危険なのは、この行動がパートナーのモラハラ気質を育てる可能性があることです。
元々モラハラ気質のない人でさえ、常に謝罪される関係の中で優位性を感じるようになり、支配的な傾向が芽生えることがあります。

 

この習慣を変えるためには、不必要な「ごめんなさい」を「ありがとう」に置き換える練習です。
多くの場合、今までしていた謝罪は感謝の言葉に変換できます。

例えば、
「遅くなってごめんなさい」→「待っていてくれてありがとう」
「迷惑をかけてごめんなさい」→「手伝ってくれてありがとう」
「うまくできなくてごめんなさい」→「アドバイスをくれてありがとう」
等です。

この小さな言葉の変化が、関係性のパワーバランスを大きく変えることがあります。
感謝の言葉は上下関係ではなく、対等な関係性を強化するのです。

 

共依存やアダルトチルドレンの特徴を持つ方は特に、謝るべき時とそうでない時の区別を意識的に学ぶ必要があります。

大切なのは、謙虚であることと卑屈であることの違いを理解し、前者を目指すことです。

 

夫婦間のバランスをとる具体的な方法

夫婦関係のバランスが崩れる多くの場合、どちらかが共依存の傾向を持っています。

 

典型的なのは、「自分の意見は必ず通るものと考えている人」と「自分の意見なんて言ったら嫌われると考える人」の組み合わせです。
どちらの考え方も健全な関係の妨げとなります。

 

依存する側は相手が何でも受け入れてくれると思い込み、意見を押し通す傾向があります。
一方、受け入れる側は相手に依存されることに依存する共依存の状態に陥ります。

 

この関係が続くと、受け入れる側は自分の意見を持つことさえできなくなってしまいます。

バランスを回復するためのステップ 

①自分の意見を自分に聞く習慣をつけること
→思考停止から抜け出し、自分が何を望んでいるのかを意識し、認識しましょう。
最初は意見が出てこないかもしれませんが、自分に意見を聞くこと自体に意味があります。

 

②少しずつでも意見を主張する練習をすること
→意見が通るか通らないかは二の次で、主張すること自体に意味があります
依存する側も、「パートナーは何も意見を持っていない」と思うから、自分の意見は優先されるものと考えてしまうのです。
意見を表明することで、相手に「あなたの意見だけが全てではない」というメッセージを伝えられます

 

上下関係ががっちり固定化される前に、自分の意見を主張する勇気を持ってください。
これは相手への反発ではなく、健全な関係を築くための必要なステップです。

 

意見を言うことは普通のことです。
それを「生意気だ」と言うような相手なら、相手がおかしいのです。

 

健全な夫婦関係とは、上下関係ではなく、お互いを尊重し合う対等なパートナーシップです。
上下関係を生むパターンに気づき、意識的に対等なコミュニケーションを心がけることで、より深い絆と理解に基づいた夫婦関係を築いていきましょう。

この記事を書いた人
共依存・夫婦問題カウンセラー大村祐輔 9年間で約800人、60分×約13,000回のカウンセリング実績から得た知識や経験を還元できるよう日々尽力しています。 大村の理念は「夫婦問題を解決して終わりじゃない」「離婚して終わりじゃない」「根本からの自己改革」です。 共依存で悩むあなたに「とことん付き合う」の精神で活動しています。 日本学術会議協力学術研究団体 メンタルケア学術学会認定 メンタルケア心理士 資格番号E1607030023 一般社団法人 ハッピーライフカウンセリング協会認定 離婚カウンセラー 会員番号200017 →詳しいプロフィールはこちら