共依存・夫婦問題カウンセラー大村祐輔です。
不安型×回避型の組み合わせは、最初は強く惹かれ合いやすいのに、途中から一気に苦しくなります。
そして多くの場合、苦しくなった後に「何が起きているのか」が分からなくなります。
「私が重いのかな」
「彼が冷たいのかな」
「努力が足りないのかな」
「相性が悪いのかな」
ここで問題なのは、関係が壊れる原因を「性格の相性」「好きの強さ」「努力不足」のような“気合”で説明しようとすることです。
不安型×回避型がうまくいかないのは、そのような理由からではありません。
もっと構造的にいうなら、安心を作る方法が真逆だからです。
- 不安型は「つながりの確認」で安心します
- 回避型は「距離の確保」で安心します
同じ“安心”を求めているのに、手段が反対方向なのです。
そのため、話し合えば話し合うほど、相手を安心させるどころか、追い詰めてしまう。
これが、この組み合わせの一番つらいところです。
この記事では「不安型×回避型がなぜ壊れやすいのか」を、精神論ではなく、仕組みとして解き明かします。
その上で、関係を壊さずに改善するための“整え方”までまとめます。
- 不安型×回避型の本質は「安心の作り方が逆」
- なぜ、不安型は「確認」をやめられないのか
- なぜ、回避型は「話し合い」が苦手なのか
- 不安型×回避型がこじれる最大の原因は「解釈のズレ」
- 典型パターン①:返信問題で壊れていく
- 典型パターン②:親の機嫌に慣れている人ほど、回避に刺さる
- 典型パターン③:職場の顔色文化が、家庭に持ち込まれる
- 「回避型が変われば解決する」は、ほぼ成立しない
- 不安型×回避型の関係の整え方①:「確認」ではなく「共有」に変える
- 不安型×回避型の関係の整え方②:話し合いの時間を「短く」「軽く」「出口あり」にする
- 不安型×回避型の関係の整え方③:安心は「相手の反応」だけに置かない
- 不安型×回避型の関係の整え方④:回避型を「説得」しないで仕組みを「設計」する
- それでもうまくいかない場合に考えるべきこと
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:この関係は「愛があるか」ではなく「設計できるか」で決まる
不安型×回避型の本質は「安心の作り方が逆」

不安型の人は、相手の温度が下がった瞬間に不安になります。
「嫌われた?」「冷めた?」「もう私いらない?」という連想が止まりません。
一方、回避型の人は、相手の温度が上がった瞬間に苦しくなります。
「自由がなくなる」「期待に応えられない」「責められるかもしれない」という警戒が出ます。
つまり、
不安型:近づくことで安心する
回避型:離れることで安心する
この時点で、ふたりは“同じ方向に進めません”。
片方が安心を作ると、もう片方が不安になります。
だから関係が苦しくなると、こういう循環に入ります。
- 不安型が不安になる(反応が欲しい)
- 確認をする(LINE、質問、話し合い)
- 回避型が圧を感じる(責められる予感)
- 距離を取る(無視・沈黙・逃げる)
- 不安型がさらに不安になる(追う)
- 回避型はさらに離れる(防衛)
これが、よく起きる“追う側/逃げる側”の構造です。
ここで重要なのは、不安型が悪いわけでも、回避型が悪いわけでもないということです。
二人とも「自分を守るため」にやっています。
ただ、守り方が衝突しているだけです。
なぜ、不安型は「確認」をやめられないのか
不安型の人は、確認しないと不安が増えます。
頭では分かっていても、身体が耐えられない。
これは意志が弱いからではなく、脳が危険を感知している状態だからです。
不安型の人は、相手が少し冷たくなると、愛情が切れたと感じます。
過去の体験として、
- 急に態度が変わった
- 優しかったのに突然距離を置かれた
- 大事にされていたと思ったら切られた
こういう体験があると、人は「予防」を始めます。
つまり、確認は“愛情の強要”というより、切られないための保険になっていることが多いです。
だから、不安型が欲しいのは「今すぐ結婚して」ではなく、「今の私たちは大丈夫?」という確認です。
けれど回避型の側から見ると、この確認がこう聞こえてしまいます。
- 「証明しろ」
- 「責められている」
- 「追及されている」
- 「自由を奪われる」
だから余計に距離ができてしまうのです。
なぜ、回避型は「話し合い」が苦手なのか
回避型の人は、話し合いが苦手というより、“感情の議題”が苦手です。
不安型が持ってくる議題は、多くが感情です。
- 寂しかった
- 悲しかった
- もっと大事にされたい
- 不安だった
この感情の議題は、回避型にとっては“正解がない質問”になります。
正解がないのに、答えないと怒られる。
答えたら間違い扱いされるかもしれない。
そう感じると、回避型は防衛に入ります。
防衛の仕方はパターン化します。
- この感情の議題は、回避型にとっては“正解がない質問”になります。
- 正解がないのに、答えないと怒られる。
- 答えたら間違い扱いされるかもしれない。
- そう感じると、回避型は防衛に入ります。
- 防衛の仕方はパターン化します。
これらは冷酷さではなく、過負荷の反応として出ていることがあります。
回避型の内部では、「話し合い=責められる」になっているケースが少なくありません。
不安型×回避型がこじれる最大の原因は「解釈のズレ」
ふたりが最も苦しくなるのは、行動そのものよりも、行動の意味づけがズレるときです。
不安型は、回避型の距離をこのように解釈しやすいです。
- もう好きではない
- 他に女がいる
- 私は優先されていない
- 大事にされていない
一方、回避型は、不安型の確認をこのように解釈しやすいです。
- 監視されている
- コントロールされている
- ダメ出しされている
- 自分が否定されている
つまり、同じ現象を見ているのに、
片方は「見捨てられ不安」
片方は「侵入される不安」
で捉えます。
結果、ふたりとも相手の行動を“攻撃”と認識し始めます。
不安型:「放置されている」
回避型:「追い詰められている」
ここに入ると、優しさは機能しません。
愛情があっても、伝わりません。
典型パターン①:返信問題で壊れていく
不安型×回避型の破壊力が最も出るのが「返信」です。
不安型にとって返信は、単なる連絡ではなく、生存確認です。
返ってこないと、愛情が消えたように感じる。
回避型にとって返信は、義務になります。
義務になると、感情が消えます。
たとえば、こういう流れです。
不安型:既読なのに返ってこない、気になる、眠れない、追いLINEをする
回避型:責められた感じがする、さらに返せなくなる
不安型:もうダメだと思う、爆発するか、泣き崩れる
この時点で、二人はすれ違いというよりは、互いに恐怖の対象になります。
典型パターン②:親の機嫌に慣れている人ほど、回避に刺さる
不安型の人の中には、子どもの頃に親の機嫌を読んで生きてきた人がいます。
- 怒らせないようにする
- 空気を読む
- 機嫌が悪いと自分のせいだと思う
- 放置されると見捨てられた気がする
こういう環境で育つと、沈黙や距離が“罰”に見えます。
回避型の距離は、ただの防衛なのに、不安型には「おまえが悪い」というメッセージに聞こえてしまうのです。
そのため、不安型は、回避型に過剰反応しやすいのです。
- 少し冷たい → 罰を受けている気がする
- 距離を置かれる → 見捨てられる恐怖が出る
- 話し合い拒否 → 価値がないと言われた気がする
これは気合で止まりません。
過去の生存戦略が無意識かつ自動で起動しているからです。
典型パターン③:職場の顔色文化が、家庭に持ち込まれる
不安型の人は、職場でも「空気を読む役」になりやすいです。
- 相手の機嫌を察して先回りする
- 争いを避ける
- うまく回す
- 本音を飲み込む
こういう人がパートナーにも同じことをすると、回避型は“距離を詰められている”と感じることがあります。
つまり不安型が頑張れば頑張るほど、回避型は「管理されている」「囲い込まれている」と感じる場合がある。
ここに入ると、不安型はさらに努力します。
回避型はさらに息苦しくなります。
努力が愛情ではなく、圧になる。
これが不安型×回避型の恐ろしいところです。
「回避型が変われば解決する」は、ほぼ成立しない
不安型の人は、回避型を変えようとします。
- もっと話してほしい
- 気持ちを言葉にしてほしい
- 連絡してほしい
- 安心させてほしい
気持ちはよく分かります。
ただ、多くの場合ここで詰みます。
回避型は、変えられようとした瞬間に苦しくなります。
回避型にとって変化は「自分の意思で選ぶもの」ではなく、“相手に求められてやるもの” になりやすいからです。
すると変化は「改善」ではなく、「服従」や「敗北」の感覚を伴います。
そのため、回避型は、変えられようとするほど心が閉じていきます。
ではどうするか。
だから「回避型を変える」より、「不安型の関わり方を変える」ほうが現実的です。
1)追い詰める追い方
- なんで返信しないの?
- どういうつもり?
- 私のこと好きなの?
- 何考えているの?
これは回避型を“責められている状態”にします。
2)余白を残す追い方
- 今少し寂しくなっています
- 落ち着いたら少しだけ話したいです
- 今日は一言だけ返してくれると安心します
この追い方は、回避型の逃げ道を残します。
つまり、回避型が“詰まない”。
不安型が欲しいのは、議論ではなく安心です。
回避型が耐えられる形で安心を取りに行く。
ここが肝です。
不安型×回避型の関係の整え方①:「確認」ではなく「共有」に変える
不安型が苦しくなる場面は、だいたい“確認”になっています。
- どう思っているの?
- 私のこと好きなの?
- 何で冷たいの?
確認は相手を審査する形になりやすい。
だから回避型は逃げます。
代わりに、共有へ変えます。
- 今日は少し不安になりました
- 返事がないと、想像が膨らんでしまいます
- だから一言だけ返ってくれると助かります
これは「あなたを裁く」ではなく、「自分の状態を伝える」です。
回避型は裁かれると逃げますが、共有なら受け止められる確率が上がります。
不安型×回避型の関係の整え方②:話し合いの時間を「短く」「軽く」「出口あり」にする
回避型は、終わりが見えない話し合いが苦手です。
感情が長く続くと、逃げたくなります。
だから最初から出口を用意します。
- 10分だけ話したいです
- 今夜は結論を出さなくて大丈夫です
- 今日はすれ違った事実だけ共有したいです
この形なら、回避型は参加できます。
「話し合い=処刑」になっている回避型には、話し合い=短い共有を再学習させる必要があります。
不安型×回避型の関係の整え方③:安心は「相手の反応」だけに置かない
不安型は、安心を相手の反応に置きがちです。
返信があれば安心、なければ不安。
これは相手が回避型だと地獄になります。
回避型は返信が遅いからです。
だから安心の支柱を複数にします。
- 自分の生活リズム
- 仕事
- 睡眠
- 趣味
- 友人
- 相談できる場
この支柱があると、不安が全振りにならない。
全振りにならないと、追い詰める追い方になりにくい。
「恋愛が生活の中心」になるほど、不安型は悪化します。
中心ではなく、要素の一つに戻す。
ここが回復の方向です。
不安型×回避型の関係の整え方④:回避型を「説得」しないで仕組みを「設計」する
回避型を説得すると逆効果です。
- あなたも変わってよ
- もっと寄り添ってよ
- 私ばかり頑張っている
これは正しい主張でも、回避型には圧になります。
代わりに、
- 返信はスタンプでも良い
- 毎日でなく、週2回で良い
- 話し合いは10分だけ
- 途中で休憩して良い
とします。
回避型は、自由が残ると動けます。
自由が消えると逃げます。
だからこの関係は、「愛情の説得」より「行動の再設計」が有効なのです。
それでもうまくいかない場合に考えるべきこと
ここまでやっても崩れるケースはあります。
それは、回避型の問題ではなく、支配やモラハラが混ざっている場合です。
回避型の距離は、防衛です。
しかし支配の距離は、罰です。
- 無視でコントロールする
- 距離で相手を壊す
- 不安にさせて従わせる
- 罪悪感を植える
この場合は、愛着のすれ違いではありません。
関係の力関係の問題になります。
不安型×回避型のすれ違いは改善できます。
ただし、支配が混ざっているなら話が変わります。
「ただの回避」なのか「支配を伴う回避」なのか。
ここは見極めが必要です。
沈黙や距離が“防衛”ではなく“罰”として使われている場合は、愛着の問題ではなく支配の問題です。
こちらもご覧ください↓
よくある質問(FAQ)
Q1.不安型と回避型は相性が悪いのですか?
A.一般的には相性が悪くなりやすいです。これは安心の作り方が逆方向になりやすく、特に不安が強い時期が続くと相手の行動が「拒絶」や「圧」として解釈されやすくなるためです。例えば、「返事が遅い=嫌われた」「確認される=責められた」と感じると、追う行動と逃げる行動が連鎖します。違和感が続いているなら、あなたの感覚を軽視せず、何が苦しさの引き金になっているのかを丁寧に見てください。
Q2.回避型の人は本当に好きではないから距離を置くのですか?
A.好きではないからではなく、防衛として距離を取ることが多いです。これは心の余裕がなくなった時に「近づかれるほど苦しい」という反応が出やすく、特に感情の話し合いが続くと逃げたくなるケースが多いからです。例えば、「会話をすると怒られる気がする」「答えを間違えると責められる気がする」など、反応への不安がある場合は沈黙を選びやすくなります。あなたが感じている苦しさは軽いものではありません。曖昧にせず、行動の意味を整理していくことが大切です。
Q3.不安型の私が我慢すればうまくいきますか?
A.我慢だけではうまくいかないことが多いです。これは不安型が我慢すると「確認しない努力」になりやすく、内側の不安が消えないまま溜まっていき、限界で爆発する形になりやすいからです。例えば、「何も言わず耐えたのに、相手は変わらない」「急に泣いてしまった」など、感情が遅れて噴き出すケースがあります。それを見た回避型はますます離れたくなります。あなたが苦しい状態を無視し続けるほど関係は歪みます。必要なのは我慢ではなく、安心の取り方を変えることです。
Q4.回避型の恋人が話し合いを避けるのはなぜなのですか?
A.責められる感覚が強くなるため避けることが多いです。これは回避型にとって感情の議題が「正解のない問い」になりやすく、特に追及される雰囲気が続くと心が過負荷になりやすいからです。例えば、「どう思っているの?」「私のこと好きなの?」という問いが続くと、答えが評価される場に変わってしまい、沈黙や逃避につながります。あなたが悪いという話ではありません。話し合いの形式を短く軽くし、出口を作ることで状況が変わることもあります。
Q5.返信が遅いだけで不安になる私はおかしいのですか?
A.おかしいわけではありません。これは不安型の人が「反応=つながりの証明」として感じやすく、特に過去に見捨てられた体験があると脳が危険信号を出しやすいからです。例えば、「既読なのに返事がないと眠れない」「頭の中で悪い想像が止まらない」など、身体感覚として強く出ることがあります。その不安を無理に否定せず、反応で安心を得ることだけに依存しない工夫をしていくことが回復に繋がります。一般的に、不安型の方が改善しやすいですし、生きづらくて困っているのであれば、自分自身のためにカウンセリングは有効です。結果的に、回避型の一挙手一投足に振り回されなくなり、関係が良くなることもあります。
Q6.不安型×回避型は結婚するともっと苦しくなりますか?
A.物理的にも距離が近くなるため、苦しくなることが多いです。回避型が自分の部屋に引きこもりがちになることも多いです。プライベート空間がないとイライラしてあたってくることもあります。特に育児や仕事の負荷が高い時期は回避型の逃避が強まり、不安型の確認も増えやすいです。また、「家庭の話が増えるほど無言になる」「疲れている時に話し合いを避ける」などが続くと、不安型の孤独感が強くなるでしょう。乾坤生活のかたちは様々ですので、別居婚などの選択肢も視野に入れましょう。
Q7.これは愛着のすれ違いではなく、モラハラの可能性もあるのですか?
A.はい、モラハラの可能性はあります。これは回避の距離が防衛として起きているのか、罰として相手をコントロールする意図で使われているのかで意味が変わるからです。例えば、「無視で従わせる」「謝るまで沈黙を続ける」「不安にさせて優位に立つ」などがある場合は、すれ違いではなく支配構造になっていることがあります。あなたが苦しさを感じ続けているなら、その違和感を曖昧にせず、関係の力関係を見直すことが必要です。
Q8.回避型の黙ってしまうことと、ASDのフリーズすることとの違いは?
A.どちらも外から見ると同じ「黙る」「無反応」に見えますが、原因は別物です。回避型は、感情の衝突や圧を感じたときに「これ以上近づくと壊れる」と判断して、距離を取ることで自分を守ります。一方、ASDのフリーズは、情報量や感情の圧が強くなりすぎると、頭の中が混線して返答そのものが作れなくなる状態です。例えば、回避型は、話し合いが重くなると黙ったまま席を外したり、既読無視で時間を置いたりしやすいです。一方、ASDのフリーズは、その場で言葉が出ず、目線が固まる・体が止まる・あとから「何を言えばよいか分からなかった」と説明することがあります。回避型は、落ち着けば何事もなかったように戻ってくることが多いです。一方、ASDは、その場では戻れず、時間が経ってから短文や文章で戻るなど、回復に時間がかかる場合があります。
黙る理由が回避ではなく、特性由来のフリーズの場合、対処の優先順位が変わりますので、こちらもご覧ください↓
まとめ:この関係は「愛があるか」ではなく「設計できるか」で決まる
不安型×回避型がうまくいかないのは、愛情が足りないからではありません。
安心の作り方が逆で、誤解が連鎖しやすいからです。
そして改善の鍵は、根性ではありません。
- 追い方を変える
- 確認ではなく共有にする
- 話し合いを短く軽くする
- 安心を反応だけに置かない
- 説得ではなく仕組みを設計する
この5つが入るだけで、関係はかなり変わります。
「私は不安型だからダメだ」ではなく、「不安型の回復ルートがある」
そう捉えてください。
関係が苦しいとき、あなたの中の違和感は、ただの甘えではありません。
関係の構造が崩れているサインです。
だからこそ、壊れる前に整える価値があります。








