自己愛性パーソナリティ障害(NPD)とASDの“謝罪”の本質的な違い:なぜ同じことを繰り返すのか | 共依存克服・夫婦問題カウンセラー大村祐輔

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自己愛性パーソナリティ障害(NPD)とASDの“謝罪”の本質的な違い:なぜ同じことを繰り返すのか

共依存・夫婦問題カウンセラー大村祐輔です。

 

【この記事でわかること】

・「謝るけど直らない人」の心理構造
・NPD(自己愛性パーソナリティ障害)の“支配を維持する謝罪”とは?
・ASD(自閉スペクトラム症)の“納得しないと謝れない構造”と“応急処置的謝罪”の仕組み
・定型発達の人ができる“誠意ある謝罪”との違い
・それぞれにどう関われば、期待や疲弊を減らせるか

 

一応「ごめん」と謝罪の言葉はあるものの、何度も同じことを繰り返す人、あなたの身近にそんな人はいませんか?

こういう人が夫や妻のような身近な存在ですと、謝罪の言葉があるだけに、なかなか期待が減っていかずに振り回され、カサンドラ症候群のような状態に陥ることがあります。

「むしろ謝罪の言葉がない方が、はっきりと”離れるべき人”とわかるので良いくらいだ」とおっしゃるクライアントさんも多いです。

 

このような行動(謝罪はあるが変わらない)は、自己愛性パーソナリティ障害(以下NPD)の人にも、自閉スペクトラム症(以下ASD)の人にも見られることがあります。

しかし、その「ごめん」の意味と構造はまったく異なります。

 

この記事では、カウンセラーとして多くの事例を見てきた経験から、NPDとASD、そして定型発達の人の“謝罪”の本質的な違いを書いていきます。

 

謝罪の意味について

NPDの人

NPDの人の「ごめん」は、自分の立場を守るための戦略的な言葉です。

 

目的は「相手を安心させる」ことではなく、「支配関係を崩さず、自分に主導権を戻すこと」です。

下手に出ているように見えても、実際には“支配の維持のための演出”であり、内省や行動の修正は伴いません。

 

そのため、時間が経てばまた同じことを繰り返します。
彼らにとって「謝ること」は“反省”ではなく“武器”なのです。

ASDの人

一方、ASDの人が「ごめん」と言う場合、それはしばしば納得したときに限られるのが特徴です。

 

ASDの人にとって謝罪とは、「自分が悪かったと理解できた時にするもの」。
つまり、相手が傷ついたという“結果”だけでは謝れないことが多いのです。

 

「相手が怒っている」「相手が悲しんでいる」という感情よりも、「自分が何をしたのか」「なぜそれが悪かったのか」という論理的な整合性が優先されます。

 

このため、「相手が傷ついた」という事実に対して謝罪がないケースがよくあります。

「自覚がない」とか「悪気がない」のであれば、謝罪する必要はないと思いがちなところがあるのです。

 

これは決して冷たさや悪意ではなく、「自分の中で理解できないことには言葉が出ない」──というASD特有の情報処理の仕組みです。

 

しかし、周囲が「まずは相手が傷ついたんだから謝れよ」と言うことで、“とりあえずの応急処置的な謝罪”を覚えるようになります。

 

そして、「とにかく謝らないと空気が悪くなる」「理由はわからないけど、ごめんと言っておけば丸く収まる」という、形式的な謝罪スキルが身につきます。

 

ですが、どんな流れであれ、理解できていない限り行動の変化は起こりません。

「ごめん」は言えても、その背後にある意味づけが伴わないため、根本的な学習には結びつかないのです。

謝罪後について

NPDの人

NPDの人には基本罪悪感は生まれません。
生まれたとしても一瞬で、それを保持できません。

 

罪悪感は彼らにとって「自分の価値を脅かす不快な感情」だからです。

 

その不快さを回避するために、「そんなつもりじゃなかった」「お前が誤解した」などの自己正当化が起きます。
こうして罪悪感は「自分は悪くない」という形に変換されてしまうのです。

ASDの人

一方、ASDの人は「悪かった」と感じる瞬間はあります。
ただしそれは、“自分が悪いと納得した時点”でしか起こりません。

 

多くの場合、「相手が傷ついたから謝る」ではなく、「自分が間違っていたから謝る」という構造で成り立っているため、相手の感情面をおざなりにしてしまう傾向があります。

 

さらに、「どの部分が悪かったのか」を構造的に理解できないため、「怒られた=悪かった」の域で終わってしまい、再発防止には繋がりにくいのです。

 

このように、
①理解が伴わず謝罪が出てこない

②周囲に促されて出る表面的な謝罪

が特徴です。

自覚について

NPDの人

NPDの人は、「同じことを繰り返している」自覚があることが多いです。
それでも変えないのは、その行動が有効に機能しているからです。

 

「謝れば相手は許す」「結局、離れない」──この経験が“支配の成立”として強化されていきます。
つまり、謝罪そのものが支配の一部になっているのです。

ASDの人

一方ASDの人は、「同じことを繰り返している」という自覚が薄いです。
状況判断やパターン認識が苦手なため、少し条件が変わるだけで「別の出来事」として処理してしまいます。

 

そのため、周りの人は「何度言っても伝わらない」と感じることが多いのです。

謝るタイミングについて

NPDの人

NPDの人は、追い詰められた時にだけ謝る傾向があります。

 

相手が離れそうになった時、立場が危うくなった時──その「危機回避」が目的です。

ASDの人

ASDの人は、その場で即座に謝る(回避型)か、フリーズして謝らないが、後から時間をおいて謝る(遅延型)かの両極端です。

 

どちらの場合も、「理解」よりも「状況回避」や「納得の有無」で動いているため、行動変化には繋がりにくいのが特徴です。

対応策について

NPDの人

NPDの人には、基本的に距離を取ることが第一です。
「理解してもらおう」とするほど巻き込まれます。

 

どうしても関係を続けたい場合は、言葉ではなく行動で判断する姿勢を徹底してください。

ASDの人

ASDの人には、感情的な言葉ではなく具体的な説明が必要です。

「冷たかった」ではなく「話しかけたのに返事がなかった」など、行動ベースで伝えることで再現学習がしやすくなります。

 

ただし、理解はあくまで“具体レベル”にとどまりやすいため、状況が変わると「前回と同じ」と気づけないこともあります。

 

彼らの「わかった」は「具体的に理解した」という意味であり、本質的に理解したという意味ではない場合が多いです。

 

悪気がないからといって許す必要はありません。

共依存体質の人は許してしまいがちですが、「悪気がないのに許せない自分が悪い」と罪悪感を抱く必要もありません。

言うべきことは言っていかないといけません。

定型発達の人の謝罪

最後に、比較対象として、定型の人の謝罪について見ておきましょう。

 

定型発達の人の謝罪は、“関係を修復すること”そのものが目的です。
謝ることで「関係を再構築する」ために、感情・言葉・行動が一貫しています。

1. 感情理解の深さ

定型の人は「相手の心の状態」を想像しながら言葉を選びます。

 

「嫌な思いをさせてしまってごめんね」「あの時の言い方が冷たく聞こえたかもしれない、ごめんね」などのように、ここには、「自分がどう思っているか」よりも「相手がどう感じたか」が主軸になっています。

2. 再発防止意識の自然な内在化

定型の人は、「信頼は行動で回復する」という感覚を持っているため、謝罪のあとは自然と行動修正を行います。

 

それは「努力」ではなく「当然のこと」として身体化されています。

3. タイミングの絶妙さ

相手が怒りのピークにいるときではなく、“受け取れるタイミング”を感覚的に読み取って謝ります。

 

だから、謝罪が感情的にも実際的にも機能しやすいのです。

4. 社会的メタ認知

定型の人は「この言葉をどう受け取られるか」を自然に想像できます。

 

結果として、攻撃的でも卑屈でもない、ちょうどよい謝罪ができるのです。

この“社会的センス”が、NPD・ASDとの最大の違いです。

まとめ

「ごめん」と言う人の、その後の行動が変わるとは限りません。

 

NPDの人は、わかっていても直さない。
ASDの人は、わかっていないから直らない。
定型発達の人は、相手の心を理解し、行動で信頼を回復させようとします。

 

NPDは変わる意志がなく、ASDは理解が追いついていない。

大まかにですが、このように把握しておくと良いと思います。

 

いずれにしても、大切なことは、「言葉」ではなく「行動」を見ることです。

もしその謝罪が、あなたへの支配や応急処置的な意味合いでしかないのなら、その人との関係を考えた方が良いと思います。

この記事を書いた人
共依存・夫婦問題カウンセラー大村祐輔
9年間で約800人、60分×約13,000回のカウンセリング実績から得た知識や経験を還元できるよう日々尽力しています。
大村の理念は「夫婦問題を解決して終わりじゃない」「離婚して終わりじゃない」「根本からの自己改革」です。
共依存で悩むあなたに「とことん付き合う」の精神で活動しています。
日本学術会議協力学術研究団体 メンタルケア学術学会認定 メンタルケア心理士 資格番号E1607030023
一般社団法人 ハッピーライフカウンセリング協会認定 離婚カウンセラー 会員番号200017
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