共依存・夫婦問題カウンセラー大村祐輔です。
わたし大村がカウンセラーとして約10年間(2016年~2026年現在)の中で、これまで受けてきた相談の中からいくつかをピックアップして紹介していこうと思います。
- ・こんなこと相談していいのかな・・・
- ・困っているけど何を相談していいのか分からない・・・
- ・相談して意味があるのかな・・・
- ・どんな悩みの人が相談しているのだろう・・・
などなど。
困っているけれども相談するべきなのか否か?
悩んでいる方はぜひ参考にしていただけると幸いです^^
ご相談事例について
以下に掲載している事例は、実際のカウンセリングに基づいていますが、個人情報保護のため内容を加工し、複数のケースを組み合わせるなどの配慮を行っています。各事例は当事者の承諾を得た上で掲載しています。詳しい免責事項はページ末尾をご覧ください。
裏切りの痛みを越えて、もう一度「この人と生きる」と決めるまで
ご相談者Yさんのプロフィール
40代前半 Yさん(妻)
結婚12年目 夫(営業職・40代半ば)、妻(パート・40代前半)
お子さん:小学5年生(女の子)、小学2年生(男の子)
妻:『共依存克服プログラム(無期限コース)』契約 計23回
夫:基本料金(スポット) 計4回
夫婦カウンセリング 計2回
ご相談内容
妻(Yさん)からのご相談
「3か月前、夫のスマートフォンを偶然見てしまい、不倫が発覚しました。相手は職場の同僚女性で、1年以上続いていたようです。問いただすと夫はすぐに認め、泣きながら謝りました。相手とは別れると言っています。
子どものことを考えると離婚はしたくない。でも、許せない気持ちも止まらない。眠れない夜が続き、スマートフォンを確認してしまう衝動も止まりません。それを夫に話すと『もう疑うのはやめてほしい、俺はもう変わった』と言われ、追い詰めているのは私のほうなのかと自己嫌悪に陥ります。
再構築すべきか離婚すべきか、答えが出ません。ただ、今の私はどちらも選べるほど落ち着いていない。とにかく今の苦しさをどうにかしたいんです。」
カウンセリング経過
YさんはまずYさんお一人で『共依存克服プログラム(無期限コース)』を契約されました。カウンセリングは私とYさんの1対1(計23回)を軸に、節目で夫婦カウンセリング(計2回)を挟みました。夫は基本料金のスポット枠で私と1対1を計4回受けられました。夫婦カウンセリングの場とは別に、夫が自分の言葉で整理できる場を持てたことは、全体のプロセスに大きく貢献しました。
初期(1〜5回):「感情の嵐」を整理しながら、自分の輪郭を取り戻す
初回のカウンセリングで、Yさんは開口一番「離婚か修復か、どちらが正解ですか」とおっしゃいました。「今は感情を整理するほうが先です。答えを急がなくていい」とお答えすると、ほっとしたような表情をされました。
Yさんはカウンセリング前にインターネットで多くの記事を読んでいたとのことでした。「読んでいるときも自分に当てはまると思うことはいくつもあったんです。でも、カウンセリングを受けてみると、それ以上に自分に当てはまることがあったとわかって。記事を読んでいたときは、見えていなかった部分があったんだなと気づきました」と振り返っておられました。「最初に『今は全部読まなくていいです。まずこの記事だけ読んでみてください』と一つ案内してもらったのも助かりました。何を読めばいいかわからない状態だったので」とも話されていました。
第2回・第3回では、不倫発覚後のトラウマ反応(怒り・悲しみ・自己嫌悪・確認行動・不眠・食欲不振)はすべて自然な反応であることをお伝えしました。「自分がおかしくなったわけじゃないとわかって楽になりました」とおっしゃいました。確認行動については、「やめる」ことをゴールにするのではなく、「確認しなくても落ち着いていられる自分になる」ことを目指すようにお伝えしました。
第3回〜第5回にかけては、怒りの奥にある感情を探りました。怒りの下には深い悲しみと「愛されていなかったのか」という根源的な傷がありました。「怒りで蓋をしていたのかもしれません」とYさんはおっしゃいました。また、幼いころから「いい子でいなければ愛されない」という感覚を持ってこられたこと、「夫に嫌われないように」という恐れが結婚後も続いていたことが明らかになりました。不倫は、その傷をさらに深くえぐるものとして体験されていたのです。
中期前半(4〜12回):「許す」を問い直しながら、夫婦カウンセリングへ
第4回〜第7回で、Yさんから「許すことができない自分は再構築を選ぶ資格がないのでしょうか」という問いが出ました。私は「許すかどうかは、最初に決めるものではないと思っています。感情を整理して、夫の話を聞いて、自分の気持ちと向き合っていく中で、気がついたらそうなっていた、という類のものです。今の段階でその答えを出す必要はまったくありません」とお答えしました。Yさんは「許す許さないを、先に決めなくていいんですね」と少し表情が和らいだようでした。
第6回では第1回目の夫婦カウンセリングを行いました。夫は「謝るだけじゃなくて、Yがどれだけ深く傷ついているかをわかっていなかった」と話されました。Yさんは「今日初めてそれが夫に伝わった気がする」とおっしゃいました。この前後に夫は私との1対1スポットカウンセリングを2回受けられました。妻への謝り方、自分の何が問題だったのか——夫自身の言葉で整理できる場が、夫にとっての大きな一歩になりました。
第8回〜第12回では、Yさんの「自立」にも取り組み始めました。「夫がいないと何もできない気がする」という感覚が、不倫後も離婚に踏み切れない一因にもなっていました。Yさんはパートを週3日から週5日に増やし、「自分にも力があると実感できた」とおっしゃいました。疎遠になっていた友人とも会うようになり、「夫だけに全部を求めていたんだなとわかりました」と語られました。
中期後半(10〜18回):信頼の仕組みを作り、再構築を「選ぶ」
第10回〜第12回では、「もう疑うのはやめてほしい」という夫の言葉がYさんを傷つけていることを整理しました。夫は「疑うのは当然だとわかっている。でも、疑われ続けるのがつらくて言ってしまっていた」と正直に話されました。「信頼は積み重ねた行動の結果として育まれるものです」とお伝えすると、夫はうつむきながら「ずるいこと言っていました」とおっしゃいました。
第14回あたりで、Yさんが「今の私はこの人ともう一度やっていきたい。逃げでも諦めでもなく、そう選びたい」と初めてはっきりとおっしゃいました。第15回〜第18回では夫婦の「新しいルール」を作りました。スマートフォンをお互いにオープンにすること、月に一度振り返りの時間を持つこと、出張時は帰宅時間を事前に伝えることなど。「形から入ることで安心感が生まれました」とYさんは話されました。
後期(17〜23回):揺り戻しを乗り越え、「なぜ」を理解する
第17回〜第19回で、夫の帰りが遅い日が続いたことで疑念と不安が再燃したとYさんから報告がありました。「また元に戻ってしまった」と落ち込まれましたが、「回復の過程は直線ではなく、揺り戻しは後退ではなく回復の一部です」とお伝えすると、「崩れる深さが浅くなっていますし、戻るのも早くなっている気がします」と自分で気づかれました。
第2回目の夫婦カウンセリングで夫は「再構築って、謝って一定期間過ぎれば終わりだと思っていました。でも、Yにとってはまだ進行中なんですね」と話し、Yさんは「それを言ってもらえただけで楽になりました」とおっしゃいました。この前後に夫はスポットをもう2回受けられ、「自分なりに整理してから夫婦の場に臨みたかった」とのことでした。
第20回〜第22回では、夫がなぜ不倫に至ったのかをYさんとの1対1で少しずつ消化していきました。「夫が『甘えたくても言えなかった、うまくいかないことを家に持ち込んではいけないと思っていた』と言っていたんです。怒りも出てくるけれど……夫も苦しかったんだとは思えました」とYさんは話されました。不倫の「なぜ」を理解することは許すこととイコールではありませんが、関係性の回復には欠かせないプロセスです。
第23回をもって、ひとまずの区切りとしました。無期限コースのため終了の義務はなく、必要なときにいつでも戻れる状態にあります。
お二人からのメッセージ
妻(Yさん)からのメッセージ
Yさん
最初は「正解を教えてもらいに来た」という気持ちでした。でも「答えを急がなくていい」と言われて、それだけで少し楽になったんです。カウンセリング前もサイトの記事をいくつも読んでいましたが、自分のこととして落とし込めていなかった。対話の中で言葉をかけてもらって初めて「あ、これは私のことだったんだ」と気づくことが何度もありました。最初に「まずこの記事だけ読んでみてください」と案内してもらったのも助かりました。カウンセリングを続けるうち、問題が夫だけにあるわけじゃなく、自分の中にも長年積み重なったものがあったとわかりました。自分を取り戻しながら夫婦関係を作り直している感覚があります。あのとき相談して本当に良かったです。
夫からのメッセージ
Yさんの夫
妻がカウンセリングを始めると聞いたとき「俺が悪者にされる場所じゃないか」と思いました。でも実際は違いました。個別で話を聞いてもらったことで、妻への謝り方や自分自身の問題を整理できました。自分だけで話せる場があったことは思った以上に大事でした。信頼を取り戻すのにこんなに時間がかかるとは思っていませんでしたが、大村さんが夫婦の「橋渡し」をしてくれたから、ここまで来られたと思っています。
カウンセラー大村が語る、不倫後の再構築で大切なこと
大村カウンセラー
まず、不倫発覚直後に「離婚か修復か」を決めようとしないことの大切さです。感情が非常に不安定な状態で大きな決断をしても、後悔しやすくなります。まず感情を整理し、心を落ち着かせることが先決です。
次に、「許す」について。許すかどうかは、最初に決めるものではないと思っています。感情を整理し、夫婦で向き合い、時間をかけて自分の気持ちと付き合っていく中で、気がついたら答えが出ていた、というのが自然な流れです。「今の自分には許せない」という感覚があるとすれば、それはまだその段階にないということであり、責めるべきことでは何もありません。
このケースで印象的だったのは、Yさんがカウンセリング前にすでに多くの記事を読み、自分に当てはまると思うことがいくつもあったとおっしゃっていたことです。ただ、カウンセリングを受けてみると、それ以上に自分に当てはまることがあったとわかった、とも話されていました。記事を読んでいた時点では、まだ見えていなかった部分があったのです。
また、「裏切った側の内側」を理解するプロセスも重要です(しかし、それを押し付けるつもりはありません)。夫が不倫に至った背景にある孤独感や甘えられなさを理解することは責任を免除することではありません。ただ、「なぜ」を理解した瞬間に怒りとは別の感情が生まれることがあります。夫が個別カウンセリングを受けたことで自分の内側を言語化でき、それがYさんにも伝わっていったことは、このケースの大きなポイントでした。
最後に、揺り戻しについて。回復の過程は直線ではなく、何かのきっかけで再び不安が戻ることは自然なことです。無期限コースで「終わり」を決めずに寄り添い続けられる環境が、このような事例では特に力を発揮します。
Yさんご夫婦のその後
カウンセリング終了後も、半年に一度ご連絡をいただいています。スマートフォンの確認衝動はほぼなくなり、「以前ほど夫に振り回されなくなった」とのことです。週5日のパートを続けており、「自分でも生きていける」という感覚が日常の土台になっているとおっしゃっていました。最近は職場の上司から「正社員にならないか」と声をかけていただいているそうで、前向きに考えているとのこと。夫との関係は「完璧ではないけれど、以前より正直に話せるようになった」。「不倫がなければ良かったのは間違いない。でも、あのことがあって、私たちは夫婦として初めてちゃんと向き合えた気がしています」という言葉が、印象的でした。
よくある質問(FAQ)
Q1.夫が不倫をしました。再構築を選ぶべきですか、離婚すべきですか?
A.どちらが正解かはカウンセラーが決めることではありません。不倫発覚直後は感情が不安定なため、その状態での大きな決断は後悔しやすくなります。まずは心を整える時間を取ることをお勧めします。
Q2.再構築を選んだのに、どうしても信頼できません。おかしいですか?
A.まったく自然なことです。信頼は「再構築すると決めた瞬間」に戻るものではなく、相手の行動の積み重ねと自分の心の回復が重なって少しずつ育まれるものです。信頼ができないのは、信頼できるような行動が相手から見えないから、という理由も当然あります。とにかく焦る必要はありません。
Q3.夫はカウンセリングに乗り気でありません。妻だけで受けても意味がありますか?
A.あります。気持ちや経緯を整理することで、起きたこと(不倫)や夫への捉え方が変わることがあります。また、自分が変化することで相手も変化することはあります。Yさんのご主人のように、最初は乗り気でなくても途中から個別で受け始めるケースも多くあります。
Q4.「許す」気持ちになれません。それでも再構築はできますか?
A.許すかどうかは、最初に決めるものではありません。感情と向き合い、夫婦で話し合い、時間をかけて自分の気持ちと付き合っていく中で、気がついたら答えが出ていた、というのが自然な流れです。今「許せない」という感覚があるとしたら、それはまだその段階にないということ。再構築を試みることと、今すぐ許すこととは、別の話です。
Q5.スマートフォンを確認してしまう衝動が止まりません。どうすればいいですか?
A.不倫発覚後によく見られるトラウマ反応の一つです。「確認をやめる」ことをゴールにするのではなく、確認しなくても落ち着いていられる自分を少しずつ育てることが根本的な解決につながります。
ご相談事例の取り扱いについて
当ウェブサイトに掲載されている相談事例は、実際に行われたカウンセリングをもとにしていますが、以下の点について特別な配慮を行っております。
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事例掲載の目的
これらの事例は、同様の悩みを抱える方々が「自分だけではない」「解決の道筋がある」と感じていただくために共有しています。
また、当カウンセリングのアプローチや支援の実際をご理解いただくための参考資料として掲載しています。
個別性の尊重
掲載事例と似た状況にあると感じられても、お一人お一人の状況や背景は異なります。
当カウンセリングでは、すべてのクライアント様を個別のケースとして丁寧にサポートいたしますので、ご安心ください。
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